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初代TGL王者は、ジャスティン・トーマスらの
アトランタドライブGC

Text/Eiko Oizumi
Photo/TGL

左からルーカス・グローバー、パトリック・キャントレー、TMRWスポーツ創始者&最高経営責任者のマイク・マッカリー氏、SoFi最高経営責任者のアンソニー・ノト氏、ビリー・ホーシェル、ジャスティン・トーマス。

   1月7日に開幕し、3月25日まで行なわれたPGAツアーのスーパースターたちによるインドアゴルフリーグ「TGL」が終了し、ジャスティン・トーマス、パトリック・キャントレー、ビリー・ホーシェル、ルーカス・グローバーの4人がメンバーの「アトランタドライブGC(以下ATL)」が優勝。優勝賞金900万ドル(約13億5000万円)を獲得し、初代チャンピオンに輝いた。

  決勝で対戦したのは、ニューヨークGC(以下、NYG)リッキー・ファウラー、ザンダー・シャウフェレ、マシュー・パトリック、キャメロン・ヤング)。決勝では3マッチのうち、2マッチを先取したチームが優勝となるが、1〜2マッチともATLのビリー・ホーシェルが、後半のシングルス戦で活躍し、逆転勝利。特に2マッチ目では、残り4ホールで3点ビハインドという苦境に立っていたATLが、12番、13番で1ポイントづつ挙げると、14番ではホーシェルがカップから約5メートルの場所につけ、 ATLはポイントが2倍になるハンマーを使用。ホーシェルがパットを沈めて、計4ポイントとなり、4対3と逆転に成功した。 ホーシェルは「JT(トーマス)が完璧なラインがあるから、と言って、どこを狙って、どこでスピードを緩めてパットすべきか、完璧な読みを教えてくれた。それを信じて、彼の指示通りに打ったら、ボールがカップに吸い込まれたんだ。そこからはもう記憶が飛んじゃうくらい興奮してしまった。『ここは俺のうちだ!』なんて何度も叫んでしまって(笑)。最後はパティアイス(キャントレー)が氷のように冷静にしっかり締めくくってくれた。信じられない瞬間だった」と語った。

アトランタドライブGCのビリー・ホーシェルが、14番ホールで約5メートルのパットを決め、飛び上がって大喜び。ニューヨークGCを逆転した。

  今シーズンの各チームの部門別データを見る限り、ATLの優勝のカギは、2つあると言っていいだろう。1つは、パッティングがどのチームよりも決まっていたこと。スタッツを見ると、ATLはフェアウェイキープ率やパーオン率では、むしろ下位にいるのだが、ショートパットを決める確率が、6チーム中1位だった。    
 また、ポイントが2倍になる「ハンマー制度」を巧みに使っていたチームとも言えるデータがある。全試合で21回のハンマーが使用され(使用回数2位のジュピターリンクスGC は15回)、計30ポイントを獲得。2位のロサンゼルスGCが14ポイントと、ATLの半分しか獲得できていないことから、確実にポイントになりそうな場面でハンマーを効果的に使用していることがわかる。
 NYGのキャメロン・ヤングが「このフォーマットでは、ショートゲームが勝負を決める」と語っている通り、ショートゲーム、特にパットが決まれば好成績を収めることができると、今シーズンのプレーからわかった。来年のTGLに向けて、各チームとも弱点を洗い出し、戦略を練って試合に臨むことだろう。

最後はパトリック・キャントレー(右)が、冷静にパットを沈めて、優勝を決めた。
決勝シリーズの2日間とも、序盤はリードしていたニューヨーぅGCだが、後半のシングルス戦でアトランタドライブGCに逆転された。写真は左からキャメロン・ヤングとリッキー・ファウラー。ザンダー・シャウフェレも出場していた。

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