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「当たり前のプレーができない」
3回目の「全米オープン」も予選落ち
           金谷拓実

Text & Photo/Eiko Oizumi

13回目のメジャー出場で、12回目の予選落ちを喫した金谷。

 2020年にプロ転向して以来、メジャー大会で一度も予選通過を果たせていない金谷拓実。アマチュア時代の2019年には「マスターズ」と「全英オープン」に出場しており、「マスターズ」ではメジャーで唯一の予選通過を果たし、58位タイで終えている。

 今回出場した「全米オープン」は自身3度目の出場で、プロ入り後11回目のメジャー挑戦となったが、通算10オーバーで予選カットラインには3打及ばず、またしても予選落ちという結果となった。

 大会前には「もう出るだけじゃ意味がないし、ここで結果を残すことがすごく大事。本当に“出るだけ”というのはやめたい」と力強く語っていた。「当たり前のことを当たり前にすることが大事。基本的なことをしっかり続けることが、いいプレーにつながる。特別なショットは必要ないと思うし、それを意識して臨みたい」と意気込みを見せていたが、実際のプレーでは、その“当たり前のプレー”が思うようにいかなかった。

「日々、成長することが大事。苦しい状況でもしっかり前を向いて、必死に頑張ることでいずれ結果につながると信じている」と、自身に言い聞かせるように金谷は記者たちに語る。昨年末からはメンタルコーチの指導を受け、定期的な面談も行なっているというが、精神力も試される「全米オープン」の舞台で、今の自分に足りないものは何かと問われると、「100%、技術です」と言い切った。

「ドライバーだけでなく、ユーティリティでもフェアウェイをとらえられない。普段できていることができない難しさがあるし、自分でうまくコントロールできていないからミスになる。残念ですけど、次の試合があるので、しっかり練習します」と、悔しさをにじませながらも、すでに次戦に目を向けている。

 今季は、久常涼とのペアで出場したPGAツアー「チューリッヒクラシック・オブ・ニューオリンズ」で18位タイに入り、翌週の「CJカップ・バイロン・ネルソン」では自己最高の5位タイと好成績を収めた。予選落ちも多いものの、調子の上向きを感じさせる場面も出てきている。

 金谷が語るように、「日々成長すれば、結果はついてくる」。やっとつかんだPGAツアーの出場資格を来年以降も維持できるよう、着実に調子を上げていってほしいところだ。

ティーショットがブッシュにつかまり、困惑する金谷。

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