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【世界のゴルフ通信】From Latin ラテン系プレーヤーが世界を席巻!スペイン語圏の選手が今季の4ツアーをリードし通算10勝

今季、米シニアツアー「ハッサン2世トロフィー」「ホーグクラシック」で2勝を挙げているミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)。©GettyImages
DPワールドツアー「ラス・アル・カイマ選手権」で優勝したアレハンドロ・デル・レイ(スペイン)。©GettyImages

ラテン系選手の記録尽くしの快進撃

アジアンツアー「インターナショナルシリーズ・マカオ」で優勝したカルロス・オルティス(中央・メキシコ)。パトリック・リード(左)、ジェイソン・コクラックとともに、今年の「全英オープン」出場権を獲得した。©Asian Tour
欧州ツアーの下部ツアー「ホテルプランナーツアー」の「デリーチャレンジ」で優勝したキム・ビダル(スペイン)。

2025年の第1四半期、スペイン語圏のゴルファーたちがゴルフ界で圧倒的な存在感を放っている。
今やインターナショナルツアーの首位争いを彼らが演じており、ゴルフ界全体が彼らにひれ伏すような状況だ。
現在、以下の4つのツアーでスペイン語圏出身の選手たちがランキング首位に立っている。

【アルプスツアー】
スペインのアルバロ・ヘルナンデス・カベズエラ

【チャンピオンズツアー(米シニアツアー)】
スペインのミゲル・アンヘル・ヒメネス

【LIVゴルフ(個人戦)】
チリのホアキン・ニーマン

【LIVゴルフ(チーム戦)】
スペインのセルヒオ・ガルシア率いる「ファイヤーボールズGC」
メンバーはガルシアのほか、デビッド・プイグ、ルイス・マサベウ、メキシコのエイブラハム・アンサー

【アジアンツアー】
メキシコのカルロス・オルティス

という具合だ。

これらの選手やチームは今年の3か月だけで合計10勝を挙げている。
カルロス・オルティスはアジアンツアーの「インターナショナルシリーズ・マカオ」で優勝。「全英オープン(北アイルランド・ロイヤルポートラッシュ)」の出場権3枠のうちの1つを獲得した。
一方、セルヒオ・ガルシアはこの大会で、1メートル未満の決定的なパットを外し、全英出場を逃した。
26回の2位経験を持つ実力者にとっては、悔しい結末だ。

スペイン・マラガ出身のヒメネスは、「ホーグクラシック」で今季2勝目(「ハッサン2世トロフィー」に続く)を果たし、今季初の複数回優勝者になった。
彼は2014年から2022年にかけて着実に勝利を積み重ねており、61歳にして米シニアツアー通算15勝という驚異的な成績を誇る。

また前記以外のツアーでは、DPワールドツアーで、スペインのアレハンドロ・デル・レイがUAEの「ラス・アル・カイマ選手権」優勝。
欧州下部ツアーにあたるホテルプランナーツアー(旧チャレンジツアー)では、スペインのキム・ビダルがインドの「デリーチャレンジ」でツアー初優勝。
現在、「レース・トゥ・マヨルカ」年間ランキングでは5位につけている。

LIVゴルフを制するラテン勢

今季、LIVゴルフ「香港大会」で優勝し、絶好調のセルヒオ・ガルシア(右から2番目)と、チーム戦の部で1位のファイヤーボールズGCメンバー。左からエイブラハム・アンサー、ルイス・マサベウ、ガルシア、デビッド・プイグ。©LIV GOLF
LIVゴルフの「アデレード大会」「シンガポール大会」で優勝し、個人戦の部で現在1位のホアキン・ニーマン(チリ)©LIV GOLF

LIVゴルフでは、スペイン語圏勢が完全に主導権を握っている。
チーム戦では、セルヒオ・ガルシア率いる「ファイヤーボールズGC」が、プイグ、マサベウ、アンサーらの奮闘もあって3勝を挙げて、ランキング首位を快走。

2位はジョン・ラームがキャプテンの「リージョン13」(開幕戦の「リヤド大会」で優勝)、3位にはチリのホアキン・ニーマン率いる「トルクGC」(チリのミト・ペレイラ、コロンビアのセバスチャン・ムニョス、メキシコのカルロス・オルティス)がつけている。

また、個人戦では、ニーマンが豪州の「アデレード大会」と「シンガポール大会」で優勝。
ガルシアも「香港大会」で勝利を挙げており、ランキング1位はニーマン、2位はジョン・ラーム、3位はセルヒオ・ガルシアとラテン系選手が上位を独占している。

アルプスツアーもスペイン勢が主役

欧州のサテライトツアー「アルプスツアー」でもスペイン勢が大活躍。
今年5大会中4大会を制している。アルバロ・ヘルナンデス・カベズエラは、エジプトの「レッドシー・リトルベニスオープン」で国際大会初優勝。
その3週間後には「チュニジアオープン」で勝利した。

また、ロッコ・レペットは「チュニジアオープン」2位タイ。
翌週の「シガレゴルフオープン」でプロ転向後3勝目を飾った。レペットは2024年の夏、輝かしいアマチュアキャリアを経てプロ転向。
スペイン国内ツアー「TUMI PGA スペイン・ゴルフツアー」の「カスティーリャ・イ・レオン選手権」でプロ初戦優勝。
「DPワールドツアーの予選会に備えるため、経験を積もうと国内サーキットへの参加を決めた」と語っている。

また、ハビエル・バルコスもエジプトの「ニューギザオープン」でアルプスツアー通算4勝目を達成している。

キャロウェイ、ラームと「リージョン13」に全幅の信頼

キャロウェイゴルフが、契約選手のジョン・ラーム率いるチーム「リージョンズ13」と契約。同チームには、ケイレブ・スラット、トム・マッキビンらキャロウェイのクラブを使用する選手が3人いる(ティレル・ハットン以外全員)。©LIV GOLF

メジャーのうち3つ(「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」)は、LIVゴルフの選手にも出場資格を公式に認めているが、こうした流れに、ゴルフ用品大手も呼応している。

キャロウェイはスペインのジョン・ラームとの契約を更新するとともに、彼が率いるチーム「リージョン13」とも新たに契約を締結した。

「ジョン・ラームのような世界クラスのアスリートやそのチームと提携できることを非常に光栄に思う。私たちは、世界の最高峰で戦うプレーヤーたちに革新的なギアを提供する使命を持っている」と、キャロウェイCEOのチップ・ブリューワー氏は語る。

ラームは2021年にキャロウェイと契約し、同社のクラブで2021年「全米オープン」と2023年「マスターズ」を制覇。

2025年シーズンのラームのバッグには、最新のELYTE◆◆◆(トリプルダイヤモンド)ドライバー、APEX TCBアイアン、クロームツアー・Xボール、オデッセイ Ai-ONEパターが入っている。

世界のゴルフ団体とクラブメーカーもLIVを容認。
あとは、PGAツアーとLIVゴルフの本格的な和解を待つばかりである。

Text/Isabel Trillo Amores

イサベル・トリロ・アモーレス(スペイン)

PGA・オブ・スペインのコミュニケーションディレクター。80年代後半からゴルフ取材を始め、その数は世界250試合以上。ゴルフのラジオ番組も手がける。

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