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プロ入り後、メジャー11試合目で
初めて予選通過した金谷拓実

Text/Eiko Oizumi
Photo/R&A/Getty Images

プロ入り後、初めてメジャーで予選通過を果たした金谷。

 世界アマチュアランキングで1位だった、2019年「マスターズ」で初めてメジャーに出場し、見事予選通過を果たして58位タイに入った金谷拓実。だがその後、今年の「全英オープン」でメジャー出場14試合目を果たすまで、まったく予選通過ができずにいた。そして今回、6年越しの悲願の「予選通過」という目標をようやく達成したのだ。

 初日を終えて、首位と4打差のイーブンパー(32位タイ)とまずまずの好発進を遂げた金谷は2日目、2バーディ、3ボギーの72(1オーバー)と耐え、通算1オーバーの51位タイで終了。上がった時点で予選カットライン圏内に入っており、6年ぶりにメジャーで予選通過を果たせたことを喜んだ。

「疲れた。でも本当によかったです。最後までいいプレーができたんで、とりあえずよかった」

 先月、「全米オープン」に出場していた時は、「当たり前のことを当たり前にできたら、完璧なショットはいらない。出るだけじゃ意味がないし、結果を出すことが大事なので、本当に出るだけというのはやめたい」と気持ちを吐露していた金谷。だが、今週はその「当たり前のこと」も一体何なのか、わからなくなってきたと練習日に語っていた。しかし、「自分を信じて、歯を食いしばって頑張る」といい、今大会に臨んでいた。ようやく「当たり前のプレー」がここにきてできるようになり、結果につながったようである。

「予選を通る難しさはたくさん感じてきた。6年前に(ロイヤル・ポートラッシュでの全英オープンに)出たときと状況も似てたし、本当に苦しかったですけど、最後まで信じてプレーできたかなと思う。本当に諦めずに戦い続けて、ちょっと報われた」

 予選ラウンドの2日目は、いつも予選通過のプレッシャーが襲いかかり、なかなか自分のプレーが思うようにできないと語っていた金谷だが、この日も「顔がこわばるので、できるだけ笑えるように意識しながら、キャディさんとも少し話して、ちょっとでもリラックスできるようにした。今回はそういうのもうまく行ったと思う」

 決勝ラウンドは、予選通過にかかるプレッシャーを感じることなく、のびのびとプレーできると思うと語っているが、優勝争いとは無関係の位置にいる。今週末に首位との差をできるだけつめ、6年越しに実現した「決勝ラウンドでのプレー」で新たな“自分らしいプレー”の境地を開拓して欲しいところだ。

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