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【ゴルフ上達のメンタル法】vol.27【禅ゴルフの極意】 「ゾーン」に入って好スコアをマークする方法

ゴルファーのバイブル『禅ゴルフ』のジョー・ペアレントが『ゴルフ・グローバル』の読者のために特別寄稿!

今年の「マスターズ」の最終日、ローリー・マキロイとのプレーオフで惜しくも敗れたジャスティン・ローズは、「ラウンドの中盤で、まさに夢に描くような“ゾーン”に入っていた。
ショットもメンタルも冴えていて、完全に集中できていた」と語っている。
この「ゾーンに入る」という現象は、トッププロだけのものではないようだ。
今回は「ゾーンへの入り方」をお伝えしよう。

Joe Parent
(ジョー・ペアレント)

過去、ビジェイ・シン、デビッド・トムズ、クリスティ・カーら男女有名米ツアー選手のメンタル面をコーチ。著作にベストセラー『禅ゴルフーメンタル・ゲームをマスターする法』などがある。米国『ゴルフ・ダイジェスト』誌で世界のトップ10に入るメンタルゲーム専門家に選ばれ、何千人ものあらゆるレベルのゴルファーを指導。公式HPは、drjoeparent.com

自分を信じられるまで練習して基礎を固め、ラウンド中は技術面を考えずにポジティブな姿勢でプレーする

Illustration/Masaya Yasugahira

ゾーンに入るための方法とは?

「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことがあるだろう。
疑いや自己意識から完全に解放された状態でゴルフをプレーすることを指す。
全てのショットが完璧に打てるわけではないが、多少のミスショットがあっても自信が揺らぐことはない。

それでは、どうすればその自由な境地にたどり着くことができるのか?
それはまず、構えやスイングで最も効率的な動きを体に染み込ませるよう、意識的に練習を積むことから始まる。
技術について「考える」のは、練習中や学習段階に限るべきで、実際のラウンド中に「どうスイングするか」を意識的に考えてしまうと、それがスムーズなプレーの妨げになってしまう。
ティーアップしたら、自分のスイングを信じて、ベストな動きを引き出すことに集中することが大切だ。
そして、信じるというのは「毎回完璧なスイングができる」という意味ではなく、練習場で身につけた感覚やリズムを、できる限り再現できるよう体に任せることを意味する。
頭の中は「ターゲットのイメージ」と「そのショットを打つためのスイングの感覚」で満たし、「どう打つか」という技術的な考えは排除する。
それが「ゾーンに入ってプレーする」ということだ。

また、ショットの結果を気にしすぎると、体が緊張し、狙った場所に打とうと「コントロール」しようとしたり、ミスを避けようとしてスイングは乱れ、その結果、スイングの流れが壊れてしまう。
そこで、以下の4ステップに意識を集中することが大切だ。

1)トラブルを避けつつ、好位置に残せるターゲットを選ぶ。
2)そのターゲットへ打つショットの明確なイメージを持つ。
3)そのイメージを実現するための、スイングの感覚を感じる。
4)そのスイングに全幅の信頼を寄せてショットする。

ルーティンやアドレスではスムーズな流れを意識し、スイング中はいいテンポをキープしよう。
プロセスに集中すれば、結果は自ずとついてくる。

「信じる力」をプログラムする

ゴルファーはしばしば「魔法の一言」、つまりその場でスイングが劇的によくなるような秘訣が欲しくなる。
しかし、現実はそう簡単ではない。即席のアドバイスはあくまで応急処置であり、いずれ効果は薄れてしまうからだ。
本当に必要なのは、基礎をしっかり固める努力と時間。
「信じられるまで練習し、試す前に信じる」――つまり、計画と忍耐をもって練習することが、将来の成果につながるのだ。

練習場での練習をコースで実践するときが来たら、新しい感覚と動きで自分のスイングに自信を持てるようにしたいもの。
スイング中に考えるのではなく、ショットを打つ前に集中することで、最高のパフォーマンスを発揮できる可能性が高まるのだ。
ボールの後方に立ち、2~3回、部分的なスイングをし、そのショットで必要な動きの「感覚」を身体にプログラムすること。
フルスイングで力任せに振るのではなく、体とクラブの連動を感じられる程度の小さめのスイングが効果的だ。
数回その動きを確認したら、「これでプログラム完了」と心の中で言い聞かせる。
あとはコンピューターのように、それを「実行」するだけだ。
そして、プログラミングが済んだら打つショットをイメージし、深呼吸をすること。息を全て吐き切ったら、焦らずに前に進み、アドレスに入ろう。
もう「どう打つか」を考える必要はない。
準備はできたと信じて、思い切ってスイングしよう。

心と体をポジティブに

心の状態は、姿勢や立ち居振る舞いにハッキリと表れる。
たとえば18番ホールのフェアウェイを歩いているゴルファーを見れば、その日の調子が一目瞭然だ。
調子が悪い選手は、肩を落とし、うつむいて地面を見ながら歩き、時にブツブツと独り言を言っていたりする。
一方、調子の良い選手は、背筋が伸び、顔を上げて、足取りも軽やかだ。

このように、心が体に影響を与えるのと同様に、体の動きも心にメッセージを送る。
うつむき、肩を落とした姿勢で歩いていると、それだけで心が「うまくいっていない」と認識してしまい、ネガティブな連鎖が始まってしまうのだ。
そこで、どんなにスコアが悪くても、意識的に自信ある姿勢を保つことで、気持ちを前向きに保つことができる。
そのポジティブな状態でいることこそが次のショットに向けた最高の精神状態をつくるのだ。

ミスを引きずったり、自分を卑下してはいけない。ナイスショットを強調して記憶しよう

Illustration/Masaya Yasugahira

「ナイスショット」だけを数えよう

一流のアスリートほど、成功体験はよく覚えていて、失敗はすぐに忘れると言われている。
ゴルフでも、ミスを引きずるのではなく、ナイスショットに注目することで、自信を高めることができる。

ターゲットに向かって理想的な球筋で飛んでいくナイスショットを、しっかり目で追って味わってみよう。
それがポジティブなイメージとして記憶に残り、自信構築につながるのだ。

また、ポジティブな体験を言葉で強調することもできる。
誰かにせっかく褒められたのに、「たまたまですよ」とか「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」などと自分を卑下する返しをしてしまうのはもったいないことだ。
謙虚さは大切だが、「たまたま」という言葉は、自信を台無しにしてしまうのだ。
その代わりに、自分のイメージ通りだったことを素直に受け入れ、こう言ってみよう。

「ありがとうございます。まさにイメージ通りでした」

「スイングを信じて打つと、いつもああなるんですよ」

ラウンド後も、何が悪かったのかを振り返るのではなく、良い判断やナイスショットを再確認する時間に使ってみよう。
それを習慣にすれば、記憶に残るのは良いプレーばかりになる。

そして、初心者には、特別なスコアリング法を提案したい。
それは「ナイスショットだけ数える」こと。
自分で「これは良かった」と思えるショットに1点ずつ加点し、毎回プレー中にその点数をどれだけ増やせるかを目標にしよう。
この方法は、スコアを気にしすぎる傾向のある上級者やツアープロにも効果がある。
ショットの質に集中でき、結果としてスコアも向上するからだ。
「ナイスショットだけ数える」ことで、もっとゴルフを楽しめて、しかも上達することを約束しよう。

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