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「ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」
比嘉一貴、3年ぶりの優勝に涙

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe、ISPS

左からISPS半田晴久会長、比嘉一貴、JGTO諸星裕会長。

  北海道で、2試合連続で国内男子ツアーの試合を開催したISPS。その第1戦「ISPS HANDA夏に爆発 どれだけバーディー取れるんだトーナメント」では、72ホールを終えた時点で、通算30アンダーに比嘉一貴と米澤蓮という東北福祉大出身者が並び、プレーオフの末、比嘉が3年ぶり、通算7勝目を挙げた。

 2022年「ダンロップフェニックス」以来、未勝利だった比嘉は、勝負が決まった瞬間、歓喜の涙を浮かべた。
「久しぶりというのもあったし、なかなか勝てなかったので、その嬉しさと、一緒に戦った幼馴染のキャディと一緒に勝ちたいというのが夢だったので、それも加えて感極まりましたね」

 2022年に国内で4勝を挙げ、賞金王に輝いた比嘉は、翌年、その実績と自信を携えて、DPワールドツアーを主戦場に戦い、メジャーやPGAツアーにも出場した。しかし、予選すら通らないことが続き、苦しい時間を過ごしたという。
「アプローチがダメだ、芝に対応できない、とダメなものばかりを過剰に考えすぎて、負の連鎖になっていた。それでもトレーニングや練習でゴルフから離れることがなかったのが、さらに悪循環になっていた」

 2024年からは再び国内ツアーに戻り、賞金ランク24位に。「ハナバンク招待」「ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント」3位タイなど、上位で戦った試合もあるが、優勝には届かなかった。そして今回、スコアの伸ばし合いの展開で優勝したことで、比嘉が取り戻したものがある。自信とアグレッシブさだ。「ゴルフが小さくなって、バーディー数が少なくなっているというのは自覚していた。しかし今週、バーディを獲ることに慣れて、少しアグレッシブさを取り戻せた。イケイケドンドンのゴルフで、自分もビッグスコアを出すことができるんだ、と発見できました」

 自分が思っていた以上にバーディー合戦が向いていると気づいた比嘉は、今大会で32バーディを奪取し、出場選手の中で1位に(ボギーは2つだけ)。自身の最多アンダーパーはこれまで26アンダー(2019年「SanSan KBCオーガスタ」)だったが、その記録を4打更新した。

米澤蓮(中央)との3ホールにわたるプレーオフを制し、優勝した比嘉(左)。

 「どれだけバーディー取れるんだトーナメント」の大会名通り、今大会では、4日間を通じて2153個のバーディ(バーディー2090個、イーグル63個)を記録し、直近5シーズンの国内ツアーでは最多記録となった。また、予選カットラインは8アンダーとなり、この記録は、2006年「東建ホームメイトカップ」の6アンダーを2打上回る最小スコアとなった。

 さらに珍記録も続出。1日にホールインワンを達成した選手が3人誕生し、ホールインワン以上に達成が難しいとされる、アルバトロスまで飛び出した。これらの記録に対し、ISPSは賞金10万円ずつを提供。最多バーディー賞、最多イーグル賞も設けて賞金を授与した。ISPS半田会長は、「みんなバーディを獲って、スコアを伸ばすぞ!という気概を持ってプレーしていた結果、普段あり得ないことが起きた。記録ずくめの試合ができて、とても面白かった。攻めて攻めて攻め続けないと、順位が下がるという試合があってもいい」と振り返った。  予選カットラインのハイスコアに、戸惑う選手もいたが、比嘉が語っているように「自分がバーディー合戦に向いてることを初めて発見した」という自らの新たなポテンシャルも見出せた今大会。来年も同様の大会を開催する、と半田会長は語っている。

第2ラウンドの2番ホール(201ヤード)で、6番アイアンでホールインワンを達成した亀代順哉。
第2ラウンドの12番ホール(194ヤード)で、6番アイアンでホールインワンを達成した山田大晟。
第2ラウンドの7番ホール(217ヤード)で、4番アイアンでホールインワンを達成した石坂友宏。
第3ラウンドの18番ホール(513ヤード)で、225ヤードの2打目をUT(21度)でアルバトロスを達成した黒川逸輝。

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