

米国は、シェフラー&コルダという世界1位ペアもある「ロス五輪」




シェフラー&コルダペアが誕生する?!
ゴルフが五輪競技として広く受け入れられるまでには時間を要したが、リオ、東京、そしてパリへと歩みを進める中で、その存在感は徐々に増してきた。
昨年の「パリ五輪」では男子はスコッティ・シェフラー、女子はリディア・コーがそれぞれ金メダルを獲得。
男女両競技の盛り上がりが加速するなか、2028年にロサンゼルス郊外のリビエラカントリークラブで開催される「ロサンゼルス五輪」では、さらに前向きな要素が加わることになる。
ミックスチーム種目の導入だ。
国際ゴルフ連盟(IGF)は、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が、このミックスチーム種目を正式に承認したと発表した。
ミックスチーム戦は、これまでの男女個人戦に加えて行なわれる新たな種目となる。
「『ロサンゼルス2028』の競技プログラムにミックスチーム種目が加わることを、私たちは非常に喜ばしく思っています」と、IGFのアントニー・スキャンロン事務局長は語った。
「ゴルフは『パリ2024』でも大成功を収め、『リオ2016』や『東京2020』からの勢いを継続させてきました。今回の新たな形式によって、さらに多くの注目をゴルフに集めることができるでしょう。選手たちは、自国の代表とチームを組んでプレーしたいという強い意志を示しており、ロサンゼルスで彼らが共に戦う姿を見るのが今から楽しみです」
このミックスチーム種目は36ホールの競技で、男子個人戦の終了後に行なわれる予定だ。
初日はフォアサム(1つのボールを2人が交互に打ってプレー)による18ホール、最終日はフォアボール(それぞれが自分のボールを打って、いい方のスコアを採用)による18ホールとなる。
出場は1か国につき1チームで、男子1名・女子1名のペアで編成される。
いずれも個人戦に出場する選手から選ばれる。
たとえば、アメリカのチームであれば、男子世界ランク1位のスコッティ・シェフラーと女子世界ランク1位ネリー・コルダのペアが予想される。
個人戦には男女各60名の選手が出場し、基本は1か国2名までだが、世界ランキング15位以内に入っている選手がいれば、その国から最大4名まで出場可能となる。
このミックス種目は、アーチェリー、陸上競技(4×100m混合リレー)、体操、ビーチスプリント・ローイング、卓球とともに、「ロサンゼルス五輪」での男女混合種目の追加として認められた6種目のうちの一つだ。
元全米プロゴルフ協会の最高執行責任者がLPGAツアー会長に

LPGAツアーの新たな会長が誕生
LPGAツアーでは、新たな人物が会長に任命された。クレイグ・ケスラー氏が、モリー・マクー・サマーン氏の後任として、LPGA史上10人目の会長に就任することが発表されたのだ。
サマーン氏は4年足らずの任期だった。ケスラー氏の就任は、LPGAの創立75周年という節目の年にあたる。
「私たちは、LPGAの伝統を深く理解し、未来への明確なビジョンを持つ、変革的なリーダーを探していました」と、LPGA理事会の会長ジョン・B・ヴァイマイヤー氏は語った。
「クレイグは、人を惹きつけるインスピレーションに満ちたリーダーであり、経営の実績、ゴルフ業界における深い人脈、そして女性と少女の活躍をゴルフを通じて支援したいという強い信念を兼ね備えています。現在のLPGAはかつてないほど活気に満ちており、クレイグはその次なる成長と変革の時代を導くのにふさわしい人物です」
ケスラー氏は、直近では全米プロゴルフ協会の最高執行責任者を務め、「全米プロ」、「ライダーカップ」、「KPMG全米女子プロ」などを主催する同団体の運営を担っていた。
その前にはバフシティソープの最高経営責任者も務め、さらにトップゴルフでも幹部として活躍していた。
「LPGAは、世界最高峰の競技と世界的な社会的影響力が交差する場にあります」と、ケスラー氏は述べた。
「ゴルフのクラブを初めて手にする少女たちから、世界中でこの素晴らしいスポーツを教えているLPGAプロたち、そしてツアーで戦う素晴らしいアスリートたちまで、LPGAはゴルフを未来へ牽引しています。この力強いムーブメントの一員となれることを光栄に思いますし、皆さんと共に次なるステージを築いていくのが楽しみです」
「これは単にスポーツ団体を率いるということではなく、〝可能性の再定義〟でもあるのです」と、ケスラー氏はさらに語った。
「この職務は、私にとって職業的なチャンスであると同時に、世界に変化をもたらし、新たな機会を創出することができるという点で、非常に個人的な意味を持っています。ゴルフは人生を変える力を持っています。私はLPGAの使命、そのメンバー、そしてその勢いを信じています。早く始動したい気持ちでいっぱいです」
この号が出る頃、ケスラー氏は職務を開始しているだろう。
彼はこれまでに、全米ゴルフ財団、UTサウスウェスタン病院システム、ダラス・マーベリックス諮問委員会など、複数の企業や組織の理事を務めてきた。
また、マッキンゼー・アンド・カンパニーに始まり、その後コールバーグ・クラビス・ロバーツ(K KR)およびプロビデンス・エクイティ・パートナーズといった投資会社でリーダー職を歴任。
投資評価や経営陣との協業による企業改善にも実績を残している。
Photo/Getty Images, PGA of America, R&A, LIV GOLF, Asian Tour
Text/Bob Harig

ボブ・ハリグ(アメリカ)
Sports Illustrated誌のゴルフライター。25年以上にわたり、ゴルフトーナメントの取材を続けている。全米ゴルフ記者協会会員。




