The Amundi Evian Championship/2025年7月10日〜13日/エビアンリゾートゴルフクラブ(フランス)/6504ヤード・パー71
「米ツアーで1勝を挙げた後、燃え尽き症候群になっていた」
優勝 Grace Kim

2000年12月13日生まれ。身長168cm。韓国人の両親のもとに生まれ、豪州ニューサウスウェールズ州で育った。アマチュア時代は数多くのタイトルを獲得。2021年プロ入りし、2023年「ロッテ選手権」で初優勝。今年、「エビアン選手権」でメジャー初優勝。©LET



豪州のグレース・キムが、世界ランク2位(当時)のジーノ・ティティクル(タイ)との劇的なプレーオフを制し、メジャー初優勝を飾った。
最終日、キムとティティクルは、共に3位タイからスタート。
ティティクルが4バーディ、ノーボギーの67と安定感抜群のプレーで、ほとんどの場面で単独首位をキープしていた一方キムは、17番まで1イーグル、4バーディ、2ボギー、1ダブルボギーと波乱のゴルフながら、18番ホールで劇的なイーグルを奪い、プレーオフに持ち込んだ。
そしてプレーオフ2ホール目で、キムは見事なイーグルパットを沈めて、勝負を決めたのだった。
「今年の初め、かなり自信を失いかけていて、やる気もほとんどなくなっていた。だからこそ、この勝利は私にとって本当に大きな意味を持つ。こうしてこのトロフィーの隣に座っているのが、まるで夢のよう」と語った。
実は大会期間中、キムは体調不良に悩まされ、咳が止まらず、同伴競技者に迷惑をかけるのでは、と気を揉みながらのラウンドだったという。
それでも気力で乗り越え、タイトルを手にした。
ホールアウト後は、豪州の先輩であるミンジー・リーとハナ・グリーンによるシャンパンファイトで祝福を受けた。
ちなみに本大会は、ミンジー・リーがメジャー初優勝を飾った、思い出の舞台でもある。
さらにロッカールームには、18番ホールを歩くカリー・ウェブの写真が飾られており、キムは「それを見るたびに刺激をもらっていた」と話した。
一時は「自分はLPGAで通用するのだろうか?」と疑心暗鬼に陥り、燃え尽き症候群のような状態にもなっていたと告白。
今回の優勝は、そんな苦悩の末にたどり着いた栄冠。豪州女子のレジェンドたちの背中を追いながら、キムは自らの新たなゴルフ人生を切り開いていくきっかけをつかんだようだ。
2025 エビアン選手権 最終成績
優勝 | グレース・キム | −14 |
2位 | ジーノ・ティティクル | −14 |
3位 | ミンジー・リー ロッティー・ウォード | −13 |
5位 | エンジェル・イン アンドレア・リー | −12 |
7位 | アリア・ジュタヌガーン レオナ・マグワイヤー | −11 |
9位 | ギャビー・ロペス ガブリエル・ラッフルズ | −10 |
11位 | 竹田麗央 | −9 |
14位 | 岩井千怜 山下美夢有 | −8 |
21位 | 吉田優利 | −6 |
38位 | 西郷真央 | −2 |
43位 | ネリー・コルダ | −1 |
59位 | 畑岡奈紗 古江彩佳 | +2 |
68位 | 勝みなみ | +5 |
予選落ち/岩井明愛、笹生優花、リディア・コー、馬場咲希、渋野日向子
今大会3位Tのロッティー・ウォードLPGAメンバーへ



「エビアン選手権」で3位タイに入ったことで、アマチュアのロッティー・ウォード(イングランド)が、LPGAエリート・アマチュア・パスウェイ(以下LEAP)を通じて、LPGAメンバー資格を取得するために必要な20ポイントに到達。
LEAP導入以来、初めてメンバー資格を取得した選手となった。
「LEAPを通じてLPGAメンバーとなった最初の選手になれたことは、本当に光栄。世界最高の選手たちと競い合うことは、私の夢だったし、こうしてそのチャンスを得られたことに感謝している。これからの未来が楽しみ」と語った。
LEAPは2024年11月に発表されたプログラムで、トップ女子アマゴルファーに対し、LPGAツアーメンバーへの新たなルートを提供するもの。
定められた基準に基づき、過去3年間に合計20ポイント以上を獲得した選手が、LPGAツアーの優先出場資格を得られる仕組みになっている。