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「ニクラス・ジャクリーンアワード」を
受賞したトミー・フリートウッド

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/PGA of America

今年の「ライダーカップ」では、5戦4勝1敗という素晴らしい成績を収めたトミー・フリートウッド(左)。ローリー・マキロイともフォーサム形式で2回、タッグを組み、いずれも勝利を挙げている。

 ライダーカップ」の真の精神を体現し、オンコースでもオフコースでも素晴らしい立ち居振る舞いをする卓越した選手1名に贈られる賞というのがある。2021年に創設された「ニクラス=ジャクリン・アワード」だ。1969年の「ライダーカップ」でジャック・ニクラスが、トニー・ジャクリンの短いパットを今シードし、史上初の引き分けとなった試合に象徴される「スポーツマンシップと尊敬の心」を称えるものである。

 その賞を、欧州チームのトミー・フリートウッドが受賞した。今大会を5戦4勝1敗で終え、欧州チームの勝利に4ポイントという大きな貢献を果たした。そして、「ライダーカップ」での通算成績を7勝3敗2分とし、10試合以上出場した欧州選手の中で最高の勝率を誇っている。

「チーム戦に出場するとき、個人賞を狙うのではなく、正しいプレーをして、大事な場面で正しい判断を下すことに集中するが、そんな中で、このような形で評価されるのは本当に光栄。ジャック・ニクラスやトニー・ジャクリンといったレジェンドの名を冠する賞を受賞し、彼らの足跡を少しでも辿れるのは、とても最高なこと」

「スポーツマンシップは、ゴルフにとって重要であり、ライダーカップは最も緊張感の高い舞台。何が起きても不思議ではない状況で、ルーク・ドナルドは“常に正しい精神でプレーすべき”という素晴らしい姿勢をチームに浸透させてくれた。そのおかげで我々はまた、勝利を手にすることができた」

 フリートウッドはその戦いぶりを表す数字だけで評価されたのではない。熾烈な戦いの中でも冷静さを失わず、チームに安心感を与える存在であり続けた。また、ニューヨークの観客の熱気に対しても品格を持って対応し、「ライダーカップ」における真の成功はポイントだけでなく「正しい勝ち方」にあることを示した。

 なお、過去の受賞者にはダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、ジャスティン・ローズらがいる。

8月にPGAツアー「ツアー選手権」でツアー初優勝を飾ったばかりのフリートウッドは、「ライダーカップ」でも好調を維持していた。
「ニクラス=ジャクリンアワード」の盾を手に、ニッコリ笑うフリートウッド。

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