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【ゴル経】第35回「世界のゴルフ人口はゴルフ場以外で増加している 」

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「世界のゴルフ人口はゴルフ場以外で増加している」です。

ゴルフ場でのプレーにこだわらないゴルフとの関わり方が、ゴルフ人口拡大につながる

Illustration/Koji Kitamura

日本では少子高齢化が進み、ゴルフ人口の減少が大きな課題となっている。
特に、現在ゴルフを最も活発に楽しんでいる団塊の世代が後期高齢者となり、ゴルフから離れていく「2025年問題」を迎えている。
こうした背景の中、世界のゴルフ人口はどのような状況にあるのだろうか。

今年6月、全米ゴルフ協会(以下USGA)と共にゴルフ規則を統括するR&Aが、最新の「世界のゴルフ参加状況2024」を発表した。
これは、R&Aが統括する日本を含むアジア、ヨーロッパ、アフリカなど、USGAが管轄する米国とメキシコを除く地域を対象とした報告書である。

報告によると、2024年の世界のゴルフ参加人口は1億800万人で、前年より3%(約300万人)増加。
このうち、成人ゴルファーが6410万人、ジュニアゴルファーが4390万人を占めている。
ここでいう「ゴルフ参加人口」には、ゴルフ場でのプレーだけでなく、練習場、屋内シミュレーション、パッティングなどの形でゴルフを楽しむ人々も含まれている。

この中で、実際にゴルフ場でプレーしているのは4327万人で、全体の約40%。
裏を返せば、残りの60%はゴルフ場以外でゴルフを体験していることになる。
特にジュニア層では、その割合が80%に達しており、若い世代を中心にゴルフ場以外での新しい楽しみ方が広がっていることがわかる。

同様の傾向は、米国でも見られる。
米国のナショナルゴルフファンデーションが実施した2022年の調査によると、オフコース(練習場やシミュレーションゴルフなど)のゴルフ参加人口は1550万人で、オンコース(ゴルフ場)参加人口の1320万人を初めて上回った。
2014年のデータでは、オフコース540万人、オンコース1580万人であったことから、最近はオフコース参加人口が飛躍的に増加していることがわかる。
これは、米国に限らず、世界的な流れとなっている。

一方、アジアでは、ゴルフ参加人口は3480万人。
そのうちオンコースプレーヤーは2030万人で、比率は58%となっている。
この数字にはアジア最大のゴルフ市場である日本の影響が大きく、依然として「ゴルフ=ゴルフ場中心」という意識が根強いことを示している。
しかし、今後はゴルフ場以外での体験機会を増やすことが、ゴルフ人口の拡大につながって行くのかもしれない。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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