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「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」
で欧州ツアー4勝目のパトリック・リード
今季のLIVゴルフの契約は、なんと未締結!

Text & Photo/Eiko Oizumi

DPワールドツアーで4勝目を挙げ、米国人選手でダラートロフィーを掲げたのは6人目となったパトリック・リード。

 DPワールドツアー「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」の最終日、2位のアンディー・サリバンに4打差の通算14アンダーで優勝したパトリック・リード。バック9に折り返し時点ではデビッド・プーチに2打差まで迫られたが、途中で攻めのゴルフに切り替えたリードは、11番でこの日2つ目のボギーを叩いたものの、10番、13番でバーディを奪い、上がりをすべてパーでまとめて優勝した。今大会はDPワールドツアーの中でも賞金の高い「ロレックスシリーズ」。初めて同シリーズを制し、ビリー・ホーシェル、コリン・モリカワ、クリス・ゴタラップに次ぐ、4人目の米国人ロレックスシリーズ勝者となった。また今大会の優勝で、ポイントランキング「レース・トゥ・ドバイ」で2位に浮上。世界ランキングでも44位から29位に浮上した。

「今日は思っていた以上に難しかった。序盤からアクセルを踏み続けるのではなく、4打のリードを守ろうとしてしまった。デビッド(プーチ)が8〜9番でバーディを奪って、あっという間に2打差になった時、ケス(キャディのケスラー・カレイン)が『もう一騎打ちだ。バック9をアンダーパーで回れば、誰も君を倒せない』と言ってくれた」

「今週が特別だった1番の理由は、このツアーだけ勝ってなかったということ。メジャー1勝、WGC2勝で、DPワールドツアーで優勝したことになっているけど、全て共催試合だったし、『ここではまだ勝てていない』という思いが心にずっとひっかかっていた。23年にチャンスがありながら逃してしまったけど、再びその場所で優勝できたこと、しかも大好きなドバイで達成できたのは大きい」

 主戦場がLIVゴルフの彼は、普段は世界ランキングポイントを獲得できないが、これまでDPワールドツアーやアジアンツアーなど世界中を駆け巡り、年間30試合以上に出場して、ポイント獲得に勤しみ、世界にゴルフを広めようとしてきた。

「正直言って、アメリカ人ならPGAツアーにとどまっていれば、移動も少なくラクだ。でも世界的にゴルフを広めたいなら、世界を回らなければいけない。僕はその考えを大事にしてきた。若い頃から、ワールドプレーヤーであれ、という話を何度も聞いてきたからね。メジャーチャンピオンであり、『ライダーカップ』プレーヤーなら、世界を回ってプレーするのは義務のようなものだと思っている」という信念を持って、世界中のツアーを回っている。

 今回の勝利で世界ランクは29位に浮上。「メジャーなどでポイントを稼いできた身としては、出場試合数が少ない中でトップ30にいられるのは、自分のゴルフがまだ望むレベルにあることを示していると思う」と語っている。

 ところが彼は優勝会見で、今大会の優勝をかすませるほどの「爆弾発言」を投下し、会見に出席していたメディアを驚かせた。

 リードはLIVゴルフの4エイシズGCに属しているが、2月4日から開幕する「LIVゴルフ・リヤド」まで2週間を切っている現在、まだ契約に署名していないのだという。今年のLIVゴルフでプレーしないとは言っていないが、「まだ本国のチームともその件については話をしていない。でも現時点では、リヤドでプレーするつもりだし、もし出場していなかったら、自分が驚くくらいだ」と語っている。

 リードの話によると、契約を詰めているところで、完了してはいないそうだ。木曜日からは試合に集中したいので、月曜日〜水曜日の練習日の間にビジネスの話をするしかない。今大会の開幕前の記者会見では「PGAツアーを世界最高のツアー」といい、もし機会があるなら復帰を検討したいと話をしていた。だがリードは、今週の「ファーマーズインシュランスオープン」からPGAツアーに復帰することになった、元LIVゴルフプレーヤーのブルックス・ケプカのように過去5年間(22〜25年)にメジャーで優勝したLIVの選手が復帰できる「リターニングメンバープログラム」の規定に当てはまっていない。2018年に「マスターズ」で優勝している彼は、もしPGAツアーに復帰したいなら、LIVゴルフを最後に出場した日から数えて1年間待たないと予選会にも出られないのだ。だからリードの場合は、「ファーマーズ」ではなく、「バーレーン選手権」に出場することになっている。そしてその翌週には開幕戦の「LIVゴルフ・リヤド」が控えているが、LIVと契約を締結しなかった場合、「カタールマスターズ」に出場する予定だ。

「もしLIVに出場しないなら、DPワールドツアーでプレーを続け、(有資格者を除いた)ランキングでトップ10に入り、来年PGAツアーへ戻る道を目指すことになるだろう。いいゴルフをしていれば、道は自ずと開ける」とリードは語る。そして今回の優勝で得た自信を胸に、目標に据えるのは「マスターズ」での2勝目だ。「そうすれば、他のメジャーの出場権を毎年更新する必要がなくなり、5年分をまとめて確保できるからね」。世界の頂点で戦い続けるための土台を、着実に築こうとしている。

リードにとって「ヒーロー・ドバイデザートクラシック」は「オフシーズンに取り組んできたことが正しかったかどうか、その成果を測られているように感じる」という。
優勝後の記者会見で、LIVゴルフとの契約について語ったリード。

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