PGAツアー史上タイ記録の通算82勝、メジャー15勝の大記録を持つタイガー・ウッズがついに来年、世界ゴルフ殿堂入りを果たすことになった。
ここではタイガーの偉大な足跡を振り返るとともに世界ゴルフ殿堂についてご紹介しよう。
度重なる体の故障を乗り越え、数々の偉業を成し遂げてきたタイガーがついに来年、世界ゴルフ殿堂入りを果たす。
「身に余る光栄」
45歳を迎えるタイガーが受賞
過去メジャーで15勝、PGAツアー勝利数はサム・スニードと並び82勝で1位タイの史上最強のゴルファー、タイガー・ウッズがついに来年、世界ゴルフ殿堂入りを果たすこととなった。
タイガーのほか、パドレイグ・ハリントン、PGAツアー前コミッショナーのティム・フィンチェム氏、女子プロで現在ゴルフ中継のレポーターとしておなじみのドッティ・ペッパーら計10名が来年、殿堂入りを果たす。
“決してあきらめず追求し続けたことへの究極の評価”タイガー・ウッズ
PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏から電話で殿堂入りを伝えられたタイガーは、
「世界ゴルフ殿堂入りを果たすことができ、名誉に思うし身に余る光栄だ。この1年は本当に信じられないような道のりであり、家族や友達、ファンたちから受けたサポートには圧倒された。この殿堂入りは決してあきらめず、追求し続けたことへの究極の評価だ」
と語っている。
誰もが納得!
タイガーのこれまでの偉業
タイガーは、幼少の頃よりその天才的なゴルフの才能を遺憾なく発揮してきた。
アマチュア時代は全米アマに3勝し、その他数々のタイトルを総なめ。
20歳でプロ入りした彼は、その翌年、12打差でマスターズ初優勝を飾った。
世界ランキングでは前人未到の683週連続1位を記録し、最年少でキャリアグランドスラムを3回達成。
2000〜2001年には「タイガー・スラム」という年をまたいでのメジャー4連勝を飾った。
輝かしい記録とは裏腹に、彼は常に腰やヒザなどに度重なる故障を抱え、何度も手術を繰り返してきた。
2008年全米オープンではヒザに故障を抱えた状態でありながら、地元トーリー・パインズの大会に出場。
ロッコ・メディエイトとの18ホールのプレーオフも戦い抜き、メジャー14勝目を飾ったのは今から12年前のことである。
2018年には5年ぶりにツアー選手権で米ツアー復活Vを飾り、翌年にはマスターズで11年ぶりのメジャー優勝を成し遂げた。
そして同年、日本で初開催のPGAツアー、ZOZOチャンピオンシップではツアー通算82勝目を飾り、サム・スニードの大記録と並んだのだった。
従来であれば、殿堂入りの受賞対象年齢は50歳以上であったが、今年から45歳に引き下げられたため、今年45歳を迎えるタイガーも受賞対象者となることができた。(2016年、40歳から50歳に変更になったが、フィル・ミケルソンやアーニー・エルスらはその前にすでに殿堂入りを果たしている)
1974年に設立され、現在では2年に1度発表される世界ゴルフ殿堂。過去、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、トム・モリス親子、ベン・ホーガン、ナンシー・ロペス、ベッツィ・キングなど偉大なプロゴルファーだけでなく、ロバート・トレント・ジョーンズ、ドナルド・ロスなどのコース設計家やダン・ジェンキンスなど著名なゴルフライターも表彰されている。
日本人では樋口久子、青木功、岡本綾子、尾崎将司の4人が表彰されている。
「タイガーは万人が想像する以上のことをゴルフというゲームで成し遂げてきた。彼のゴルフにおける偉業は計り知れない」とPGAツアーコミッショナー、ジェイ・モナハン氏。
タイガーの偉業をデータで簡単に振り返ってみよう
TIGER WOODS のこれまでの道のり
● 米ツアー通算82勝(サム・スニードと並び首位タイの記録)
● メジャー15勝(ジャック・ニクラスの18勝に次ぎ2位)
マスターズ5勝、全米オープン3勝、全米プロ4勝、
全英オープン3勝
● プロでメジャー4連続優勝は、タイガー・ウッズだけ
● キャリアグランドスラム達成者5名のうちの1人(他はジャック・
ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン)
● WGC(世界ゴルフ選手権)で18勝
● 世界で109勝(日本で3勝)
● 世界ランク、683週連続1位(歴代1位)
● PGAプレーヤー・オブ・ザ・イヤー11回
● PGAツアー賞金王10回
● フェデックスカップチャンピオン2回(2007年、2009年)
● 大統領自由憲章受賞(2019年)
● PGAツアー生涯獲得賞金ランク1位
Text/Eiko Oizumi
Photo/ World Golf Hall Of Fame,Getty Images