緑の「肌」をつまむ洗濯バサミ
トルコのコースにそそり立つ日常。
ゴルフ場に日用品、しかもそれの巨大なオブジェが現れたらちょっとおもしろい。
ゴルフ場はアートの展示会場にもなりうるというユニークなプロジェクトをトルコ・イスタンブールのコースで発見!
ケメルゴルフ&カントリークラブ(トルコ)
4番ティーの後ろにそびえる高さ6メートルの洗濯バサミ。青空に黄色の洗濯バサミが映える。
トルコ・イスタンブールの「ケメルゴルフ&CC」の4番ティーの後ろには、写真のように巨大な洗濯バサミのオブジェが芝のマウンドをつまむ形でそびえ立っている。
普段見慣れた日用品でも、ここまで巨大で、しかもゴルフ場で見ると、なんだかとてもシュールな光景である。
これはメへメット・アリ・ウイサルというトルコ生まれの造形芸術家が作成したパブリックアートで、「洗濯バサミ彫刻」として知られており、これと同じものがベルギー、スウェーデン、ワシントンにもあるという。
ウイサルは人間の体や日用品などからインスピレーションを得て、芸術活動に勤しんでいるが、2010年、ベルギーのリエージュでの企画屋外展で制作した「スキン」によって彼の名前は一躍ヨーロッパで有名に……。
高さ6メートルの巨大な洗濯バサミで大地のように硬いものを、あたかも肌のように柔らかいものをつまみ出すように表現した彫刻「スキン」を制作した。
「この作品は木で作られているだけでなく、地面や芝も含めた〝自然〟から作られているんだ」とウイサル。
ゴルフ場を広大な展示会場と見立てれば、このような巨大な作品もおもしろく鑑賞することができるのだ。
Text/Ei ko Oizumi
Photo/Kamer Go lf & Counrty Club