Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/©️PGA
今年のPGAシニアツアー第5戦「ISPS HANDA楽しく面白いシニアトーナメント」は、7月8日〜9日の2日間に渡って太平洋クラブ大洗シャーウッドコースで開催され、シニアの部は井戸木鴻樹、スーパーシニアの部は福沢孝秋が優勝した。井戸木は2012年に国内シニアツアー「富士フイルムシニア」で初優勝して以来、ツアー2勝目。福沢は昨年の7月に開催された「ISPS HANDAコロナに喝!! シニアトーナメント」のスーパーシニアの部で優勝を飾っている。
2013年、自身初の海外試合だった「全米プロシニア」で初出場、初優勝を飾った井戸木。レギュラーツアー、シニアツアーを通して日本男子選手として初のメジャーチャンピオンになった。
しかし、2014年以降は度重なる体の故障のため、不本意なシーズンが続いた。しかも、方向性抜群でフェアウェイを外さない彼のショットは、正確性を欠き、パーオンもせず、パーセーブもままならない状態が続く。メジャーチャンピオンのスランプは9年間続いたが、先日の大会でようやく脱出できたようだ。
「本当に嬉しかったですね。勝てそうで勝てないのが結構ありましたからね。(勝因は)パッティングが少しずつ良くなってきたのが1番大きいと思います。また、どうしても今までのスイングで飛ばしに行くと曲がるので、飛ばしにいかなくても飛ぶようなスイングを自分なりに研究しながらやってきたのがうまくいったと思います」
井戸木は他のプロのいいところを取り入れようと観察、研究を続けている。最近ではショットは鈴木愛のスイングを取り入れ、パッティングは室田淳の打ち方を真似しているという。過去、ショットが良くてもパターが入らないということが多かったので、パターさえ入ればまたいつか勝てると信じてプレーしてきたそうだ。
井戸木はもともとフェアウェイを外さないショットメーカーとして定評があったが、シニアになりたての選手たちは飛距離が出る人も多く、もう少し飛ばさないと歯が立たないと思ったという。だが、今までの手振りスイングで飛ばそうとすると体を故障しかねないので、怪我のないスイングを目指した。体全体でボールに向かって振っていくスイングに改造したのである。
「勝ったことで自信がついたと思うので、悩みは解消できたような気がします」
今後は今のゴルフの状態をキープしたまま、「勝ちに行って、勝てるゴルフ」を目指したい井戸木。1勝したら少し気が楽になったというが、本来の井戸木の持ち味であるショットの精度が復活すれば、3勝目、4勝目も近いだろう。
■トーナメント結果
1,楽しく面白い シニアトーナメント結果
⇒結果詳細はコチラから
2.ISPS HANDA 楽しく面白いシニアトーナメント 【スーパーシニアの部】
⇒結果詳細はコチラから