• 国境や人種を超えたスポーツの力とゴルフの愉しさをすべての人に。
  1. ホーム >
  2. トーナメントレポート >
  3. メジャーで優勝できなかった悔しい気持ちを
    忘れずに…...

メジャーで優勝できなかった悔しい気持ちを
忘れずに….ボールマーカーに込めた想いで
ツアー4勝目を挙げた畑岡奈紗

「マラソンLPGAクラシック」で、米ツアー4勝目を挙げた畑岡奈紗。
「マラソンLPGAクラシック」で、米ツアー4勝目を挙げた畑岡奈紗。

Text/Eiko Oizumi
Photo/LPGA

 

「全米女子オープン」での笹生優花とのプレーオフに負けた畑岡奈紗。悲願のメジャー優勝を目前に悔し涙を流したサンフランシスコでの大会から、約1ヶ月。オハイオ州ハイランドメドウズCCで開催された「マラソンLPGAクラシック」で2位と6打差をつけ優勝。悪天候のため、54ホール(3日間)に短縮して行なわれたが、大会の最小ストローク数を記録し、ツアー4勝目を飾った。

 

「とても厳しい世界というのはわかっているけど、毎年1勝を目標にやっていたので、去年勝てなかったのがすごく悔しかった。今年もシーズン初めは思うようにいかなかったけど、やっと勝つことができて嬉しいです」

 

1年に1勝という目標を掲げているが、昨年は達成できず。今年に入ってからスイングに悩み、思うような成績が挙げられていなかった。

 

「スイングのテンポがバラバラになったりとか、切り返しのタイミングが合っていない。テークバックがバラバラだと、振り抜きの位置もバラバラになる。テークバックを意識してもうまくいかないので、今度はフォロースルーの方を少し低く長く出すようなイメージではやっているんですけど、それもうまくいかない」(ANAインスピレーション・最終日)

 

今までは自分でスイングを直し、時々コーチのゲーリー・ギルクリスト氏に見てもらう程度だったというが、「全米女子オープン」に敗退し、「全米女子プロ」で予選落ちしたのちに彼女はギルクリスト氏の元を訪れ、スイングを見てもらったのだという。その結果、「こんなに早く結果が出ると思っていなかった」ほどの成果を挙げることができ、優勝につながった。

 

特にアイアンショットが好調で、ギルクリスト氏と徹底的に修正したコントロールショットが絶好調。初日は61をマークしたが、18ホール中18ホールでパーオン。3日間を通して約9割近いパーオン率を記録し、そのショット力で2年ぶりの勝利を掴み取ったのである。

 

勝因は、このアイアンショットの修正だけではない。実は畑岡は「全米女子オープン」出場の際、「使いやすそうだなと思って」とUS Women’s Openのロゴ入りマーカーをお土産に購入し、試合中に使っていた。記者からその点についての質問が飛ぶと、「悔しさを忘れないためにも、US Women’s Openと書かれたロゴを見て、2度とああいう気持ちにはなりたくないと思って回っている」と優勝後の会見で語っていたが、優勝争いで負けた悔しさをバネに戦ったことも、今回の勝利につながったようだ。

 

今週の「ダウ・グレートレイクスベイ・インビテーショナル」が終了すると、いよいよ帰国し、オリンピックの準備に入る畑岡。

 

「「各国の代表でトッププレーヤーが集まるので、そう簡単なことではないと思うけど、やるからには日本代表になれなかった選手の分も戦わきゃいけないと思うので、金メダルを目指して頑張りたい」

 

アマチュア時代からの夢だったオリンピックに出場、しかも自国開催のオリンピックで金メダルが獲れれば最高だ。畑岡は日の丸を背負い、夢の実現に向けて強い気持ちで戦う。

キャップのツバの右側には、「2度とあの悔しさを味わいたくない」と、プレーオフで敗退した全米女子オープンのロゴ入りマーカーが装着されている。
キャップのツバの右側には、「2度とあの悔しさを味わいたくない」と、プレーオフで敗退した全米女子オープンのロゴ入りマーカーが装着されている。
長年愛用しているピン・スコッツデールTR PIPER Cではなく、ベティナルディのマレットパターを使用
長年愛用しているピン・スコッツデールTR PIPER Cではなく、ベティナルディのマレットパターを使用

関連する記事