Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/PGA of America
昨年、米国開催される予定だった第43回「ライダーカップ」は、ウィスコンシン州のウィスリングストレーツで9月24〜26日に行なわれ、米国選抜チームが欧州選抜チームに19対9の10ポイント差で大勝した。
「本当に特別な1週間だった。メンバーが2週間前から集まってくれて、いい関係を築きながら準備を重ねてくれた。このチームの一員となることができ、しかも地元のウィスコンシンで、非常に嬉しく思う」
2002年以降、9回のライダーカップが開催されているが、米国選抜2勝、欧州選抜7勝と圧倒的に欧州が勝ち続けてきた。過タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンら世界で1〜2を争う選手がいるドリームチームにも関わらず、米国は負け続けてきたのだ。
だが、今年の米国選抜は違った。全メンバー12名のうち、20代の選手が8人おり、平均年齢は29歳。初出場の選手が6人おり、最年長でもダスティン・ジョンソンの37歳と非常に若いチームだった。そして世界ランクトップ10以内に8人がその名を連ねるという、若くてエネルギッシュな強いチームだったのだ。「勝利」に向かって全力で積極的に取り組める経験豊富な若者が集まったことが、米国に勝利をもたらしたといえよう。
一方、欧州選抜の平均年齢は35歳。初出場の選手は3人で、最年長の選手はリー・ウエストウッドの48歳だった。その他40代の選手に、イアン・ポールター(45歳)、ポール・ケーシー(44歳)、セルヒオ・ガルシア(41歳)と過去の「ライダーカップ」で活躍してきたベテラン勢が何人もいたが、経験豊富なベテランを集めた欧州よりも、若くて強いイケイケのヤングガンを揃えた米国勢に軍配が上がった。世界ランキング上での差がモロにチームの実力差に出てしまったのである。
そしてシングルスでやっと今大会初のポイントを獲得した不調のローリー・マキロイは敗退後、次のように語った。
「僕がライダーカップに出ている当分の間は、彼らは手強い相手になりそうだ」
そして米国のブライソン・デシャンボーは「今年がニュージェネレーションの始まりなんだ。僕たちは今後、何かすごいことを成し遂げそうな気がする」と優勝後に語った。「ライダーカップ」の勢力図が、大きく転換期を迎えようとしている。