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30メートルのイーグルパットを決め
劇的逆転優勝を果たしたハロルド・バーナーⅢ

Text & Photo/Eiko Oizumi

優勝したハロルド・バーナーⅢとキャディのクリス・ライス。キャディのライスは、「プレーヤーズ選手権」のキャディコンペ(池越えの17番PAR3のニヤピンコンテスト)で優勝するほどの腕前。

 2月3日〜6日にサウジアラビアのロイヤルグリーン&CCで開催された「PIFサウジインターナショナル」は、3日目を終えて単独首位で最終日を迎えた米国のハロルド・バーナーⅢの劇的イーグル優勝で幕を閉じた。

 最終日、最終組から3組前でプレーしていたババ・ワトソンが、18番ホールで約5メートルのイーグルを決め、12アンダーの単独首位に浮上。優勝か、あるいは後続組の選手とのプレーオフを決めたかに見えた。

 一方バーナーは、17番ティに立った時、ワトソンがイーグルを決めてホールアウトしたことを知った。この時2打ビハインドの状況に置かれていたが、17番でバーディを奪い1打差に。18番ホールではバーナーは、ピンから約30メートルに2打目をつけた。慎重にラインを読み、ストロークしたパットは見事にカップイン!イーグルを決め、ワトソンを逆転し、優勝を決めた。その瞬間、大きく飛び上がって大喜び。キャディのクリスと抱き合って優勝を祝った。

「素晴らしい!ただあのパットを沈めようと思ったんだよ。なかなかうまくいかない日々もあったけど、今日はうまくいった。やっぱり試合で優勝争いする、というのは世界で最も素晴らしいものだね」

 バーナーは2016年に「オーストラリアンPGA」でプロ転向後、初優勝を飾っているが、それ以降、優勝からは遠ざかっていた。自分の才能を疑うことはなかったが、それでもうまくいかない日々が続き、プロの世界でプレーし続けることの厳しさも味わっていた。そしてその5年2ヶ月後に、サウジアラビアの地で賞金1億1000万円を超えるビッグマネーを手にし、再び自信も取り戻した。

最終日、18番ホールで約5メートルのイーグルパットを決めたババ・ワトソン。単独首位でホールアウトしたが、後にハロルド・バーナーに逆転された。

 そして、最後の最後で逆転されたババ・ワトソンは、彼の優勝をどのように思っているのだろうか? 優勝が決まった瞬間、ワトソンはグリーンサイドでその光景を観ていたが、バーナーと抱き合って祝福の言葉をかけた。

「彼は親しい友人の一人で、今週も一緒にいることが多かった。彼は本当に愛すべき人間なんだ。だから彼のことは何かあれば助けてあげたいと思う。彼が僕をやっつけたとしても、別に怒っていないよ。彼が優勝できて、僕もハッピーだし、拍手したいと思う。応援しているよ」(ババ・ワトソン)

【最終成績】
1. ハロルド・バーナーⅢ  -13
2. ババ・ワトソン     -12
3. アドリ・アルナウス   -10
4. スティーブ・ルートン   -9
キャメロン・スミス
6. マシュー・ウルフ     -8
 パブロ・ララサバル   
8. アブラハム・アンサー   -7
 ジョナサン・ベガス
 ホアキン・ニーマン
 木下稜介
 ダスティン・ジョンソン
 トミー・フリートウッド
――(以下主な選手)―――――――
14. 金谷拓実        -6
17. ヘンリク・ステンソン  -5
18. フィル・ミケルソン   -4
ザンダー・シャウフェレ 
24. セルヒオ・ガルシア   -2
28. 星野陸也        -1
73. 久常 涼         +14
予選落ち 岩田 寛、関藤直熙

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