Text & Photo/Eiko Oizumi
現在、世界障害者ゴルファーランキングで41位につけている栃木県出身の小山田雅人。彼は2歳の時に不慮の事故で右前腕を失い、小学6年までその事実を知らずに「右手がないのは生まれつき」と思っていたという。栃木県庁の事務職員として勤務するようになるが、脳腫瘍にも見舞われた。
そんな彼は2012年、ティーチングプロB級テスト実技試験に、翌年には同学科試験に合格し、PGA会員となった。こうして片腕の障害者プロゴルファーが誕生したのだった。
そんな彼は講演会活動や、健常者へのレッスンを生業としているが、講演会などで必ず話すことがあるという。それは「ないものを嘆くのではなく、あるものに感謝しよう」ということ。右手がない、左足がない、など障害を嘆くのではなく、ないものは仕方ないと思い、あるものを生かして上達しよう、という考え方でプレーすれば、健常者も障害者もゴルフがうまくなるという。
また、小山田はそれぞれの体の使い方を見てレッスンするそうだが、右利きの人は右手主体のスイングをするようにアドバイスを送っている。
「得意なものを生かして打った方が上手くなるんです。逆に、苦手な方を使おうとしてもうまくいかない。飛距離アップしようという人は鍛えないといけませんが、無理して鍛える必要はないんです。どっちの手が主体かによって、クラブ選びも変わってくる」
と語ってくれた。