ついに日本人選手にも制裁!
今後LIVゴルフに出場するならPGAツアー出場禁止!
6月の開幕戦「ロンドン大会」から3試合出場していた谷原秀人(左)、香妻陣一朗(右から2番目)、木下稜介(左から2番目)に加え、第2戦からは稲森佑貴(右)も出場していた日本勢。9月以降のLIVゴルフイベントには出場していない。
LIVゴルフシリーズに出場したPGAツアーメンバーだけでなく、ノンメンバーに対してもPGAツアー競技への制限を設けることになった。写真はPGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏。
PGAツアーは、日本男子ツアーのメンバーに対しても制裁を与えることに……。
LIVゴルフシリーズに出場したJGTOの選手は、年内のPGAツアー競技への参加を認めないことを正式決定した。
これにより、谷原秀人、木下稜介、香妻陣一朗、稲森佑貴の4人は、実力で出場権を獲得したとしても「ZOZOチャンピオンシップ」をはじめとするPGAツアー競技には出場できず、コーンフェリーツアーの予選会の挑戦も不可能となったのだ。
現時点で賞金ランク3位につけている稲森、10位の香妻は、ZOZOへの出場圏内に入っていたが、この決定により出場は不可。
だが、9月以降のLIVゴルフに参戦しなければ、来年からはPGAツアーに出場できるという。
JGTOからは、LIVに出場する選手に対して特に罰則はない。
だが、将来PGAツアーを主戦場に戦いたい、予選会に出たい、という選手にとっては、LIVに出場するという選択肢は今回の決定でなくなった。
JGTOメンバーのスコット・ビンセントとショーン・ノリスは9月以降もLIVゴルフに出場しているが、彼らはPGAツアーへの出場資格を失ったことになる。
「全英オープン」チャンピオンのキャメロン・スミスもLIVゴルフ入り!
世界ランク2位で、「全英オープン」チャンピオンのキャメロン・スミス(左)とマーク・リーシュマンも電撃移籍。
続々とLIV入りする有名人気選手たち
いったいどこまで?!
フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、リー・ウエストウッド……とおなじみの有名人気プロたちが開幕戦のロンドン大会からこぞって出場し、そのあとを追うように2戦目以降、ブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー、ヘンリク・ステンソンらビッグネームが続々と移籍しているLIVゴルフ。
「年内はこの大会で新規参入者は打ち止め」という話もある、9月初旬に行なわれた「ボストン大会」では、キャメロン・スミス、マーク・リーシュマン、アニルバン・ラヒリ、キャメロン・トリンガーレ、ハロルド・バーナーⅢ、ホアキン・ニーマン、ババ・ワトソンの7名が加わり、フィールドは、さらに豪華なものとなった(B・ワトソンはヒザ痛のため、プレーはしなかったが、会場には姿を現した)。
初戦は40~50代のいわゆる「そろそろ勝てなくなってきた」欧米ツアーの有名選手たちを中心に、アジアンツアーメンバーも10人以上いたのが、試合を追うごとにアジアンツアーのメンバーの名前は消え、PGAツアーのビッグネームの名前が増えていった。JGTOメンバーに関しても、PGAツアーからの制裁が決定した今、敢えてLIVに参戦したいという日本人選手がいるのか、またはLIV側が受け入れたい日本人選手がいるかどうかは不明だ。
8月のフェデックスカップ・プレーオフ終盤にかけて、松山英樹の名前も挙がり、移籍金は500億円以上という話も出たが、「まだやり残したことがある」とPGAツアーに残留を表明。
スミスの移籍をもって大型移籍の話題はひと段落したようだ。
ビッグネームの移籍が今後も続くのか、落ち着いたのかはわからないが、年内はあと3試合。次号では、最終戦「マイアミ大会」をレポートする。
LIV GOLF Invitational Series Boston
2022年9月2日〜4日 The International
元世界ランク1位のダスティン・ジョンソンがLIV初優勝
個人戦はダスティン・ジョンソンが優勝
LIVゴルフシリーズで個人戦・初優勝を遂げたD・ジョンソン。今大会の優勝で、賞金ランク、ポイントランクともに1位に浮上した。
チーム戦は4 ACES GC優勝
ポートランド、ベッドミンスター、ボストンと3回連続でチーム戦優勝を遂げている「4ACES GC」。左からテーラー・グーチ、キャプテンのダスティン・ジョンソン、パトリック・リード、パット・ペレツ。
LIVゴルフのアイコン的な存在であり、フィル・ミケルソンとともに初戦のロンドン大会からLIVゴルフをリードしてきた、元世界ランク1位のダスティン・ジョンソンが、ついに個人戦で初優勝を遂げた。
今大会でLIVデビューを飾ったチリのホアキン・ニーマン、インドのアニルバン・ラヒリの3人が、15アンダーで並び、LIVゴルフ初のプレーオフにもつれ込んだが、1ホール目でジョンソンが20メートル弱のイーグルパットをねじ込み、優勝。大勢のギャラリーがDJの勝利を祝福した。
「ラインをよく読めたと思っていた。ちょっと強かったかな、と思ったが、ラインに乗っていたのでカップに当たれ!と祈ってたんだ。やっと個人戦で優勝できてよかったよ。毎週優勝のチャンスがあったのに、最終日は思うようなプレーができていなかったからね」
個人戦と団体戦で優勝したことで、合計賞金は約6億7000万円に。
今回の優勝を含め、これまでの4試合で全てトップ10入りしており、獲得ポイントや賞金のランキングで、1位に浮上した。
残るは最終戦のマイアミ大会まで4試合。
4試合以上出場した選手は年間チャンピオンになる権利が与えられ、優勝すると1800万ドル(約24億円)をゲットできるので、ボストン大会から参入したキャメロン・スミスらも年間チャンピオンに輝く権利はあるのだ。
ボストン大会 個人・最終成績
優勝 | ダスティン・ジョンソン | −15 |
2位 | アニルバン・ラヒリ ホアキン・ニーマン | |
4位 | リー・ウエストウッド キャメロン・スミス | −14 |
6位 | テーラー・グーチ | −13 |
7位 | ジェイソン・コクラック | −12 |
8位 | エイブラハム・アンサー | −11 |
9位 | セルヒオ・ガルシア ルイ・ウーストハイゼン ケビン・ナ | −10 |
12位 | ブランデン・グレース | −9 |
17位 | ブライソン・デシャンボー イアン・ポールター | −6 |
26位 | ブルックス・ケプカ | −4 |
31位 | パトリック・リード | −3 |
40位 | フィル・ミケルソン | +2 |
来年は6試合増で、全14試合に
賞金総額は、なんと568億8500万円!
今年は全8試合で行なわれているLIVゴルフインビテーショナルシリーズだが、来年は、6試合増の全14試合が欧米、ラテンアメリカ、アジア、オーストラリア、中東など世界各地で開催される予定だ。
「ベストプレーヤーは、常にどこでプレーをするかを選ぶ権利がある」という考え方のもと、4大メジャーなどのビッグイベントとは重複しないよう日程が設定されるが、そのスケジュールについてはまだ明らかにされていない。
また、世界ランキングポイントの獲得のため、アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ」への参入が見込まれている。
現在、LIVゴルフは世界ランキングポイントが与えられていないため、ポイントを獲得する手段を確保するための策だ。
2022年LIVゴルフ招待シリーズ・スケジュール
6月9日〜11日 | ロンドン(英) | センチュリオンクラブ |
6月30日〜7月2日 | ポートランド(米) | パンプキンリッジ |
7月29日〜31日 | ベッドミンスター(米) | トランプナショナルGCベッドミンスター |
9月2日〜4日 | ボストン(米) | ジ・インターナショナル |
9月16日〜18日 | シカゴ(米) | リッチ・ハーベスト・ファームズ |
10月7日〜9日 | バンコク(タイ) | ストーンヒル |
10月14日〜16日 | ジェッダ(サウジアラビア) | ロイヤルグリーンズゴルフ&CC |
10月27日〜30日 | マイアミ(米) | トランプナショナルGCドラール |
*後半の3試合は、今後開催される試合。
Text/Eiko Oizumi
Photo/LIV GOLF、Eiko Oizumi