Text/Eiko Oizumi
Photo/ISPS
ISPSの半田晴久会長は、現在話題となっているLIVゴルフに関する見解を明らかにした。
「選手がLIVゴルフに出ることについては、自由でいいと思う。縛り付けるつもりはない。だが、LIV ゴルフを運営するサウジ政府系ファンドPIFの代表からは、会いたいと言われている。女子の試合を信頼のあるISPSと組んでやりたいんだそうだ。ISPSは世界の3大スポンサーの一つと言われているが、7年後に日本でプレジデンツカップを開催したいという目標があるので、PGAツアーとの関係を考えると逆撫ではできない。だからLIVゴルフの女子の試合のスポンサーになることは難しいし、考えていない」
サウジ政府系ファンドPIFの代表者については、「魅力的で素晴らしい人」と言いながらも、今後、PGAツアーが主催する「プレジデンツカップ」の日本開催を実現させることを考えると、LIVゴルフと組むのは得策ではない。そこでLIVゴルフの女子試合のスポンサーを務めることは否定している。だが、一方でLIVゴルフの出現によって、いいこともあることを強調している。
「LIVのおかげで、傲慢なPGAツアーが謙虚になった。南アフリカのサンシャインツアーなども、すごくやりやすくなったと言っている」(半田会長)
LIVゴルフは悪、とローリー・マキロイ、タイガー・ウッズらはLIVゴルフに対して反論を唱えているが、ジョン・ラームの言うように、PGAツアー選手たち自身もLIVゴルフの出現のおかげで、賞金やボーナスの増額の恩恵を受けるなど、いいこともあることは確かだ。グローバル化が急激に進む世界のゴルフ界だが、世界最高峰のツアーであり、絶対君主的な存在だったPGAツアーも、巨額を投じるLIVゴルフに対する危機感や警戒感を募らせており、半田会長の言うように、他のツアーとの協調を重んじながら、連携ムードを高めていると言えるだろう。