ローリー・マキロイが『レース・トゥ・ドバイ』を制し世界ランキング1位に返り咲き
総合優勝
Rory McIlroy
ローリー・マキロイ(北アイルランド)
1989年5月4日生まれ。
175cm、73kg。米ツアー23勝、欧州ツアー14勝、メジャー4勝。「マスターズ」で優勝すれば、キャリアグランドスラム達成。全米プロゴルフ協会の職員だったエリカさんと2017年に結婚し、現在は一児のパパ。
北アイルランド出身の、親友であり、キャディのハリー·ダイヤモンド(左)とともに優勝を喜ぶ。総合優勝者のトロフィーは、ハリー·バードントロフィーと呼ばれている。
欧米両ツアーで総合優勝を達成!
昨年8月末には米PGAツアーの「フェデックスカップ」で総合優勝を飾っていたローリー・マキロイがDPワールドツアー(欧州ツアー)の「レース・トゥ・ドバイ」ランキングにおいても総合優勝を飾るという快挙を達成。世界ランク1位にも返り咲いた。
彼の昨シーズンのコース内外の活躍を振り返る。
「今までのゴルフ人生の中でも最も達成感のある1年だった」
ーローリー・マキロイ
昨シーズンの平均飛距離は、327.23ヤードでツアー1位だったマキロイ。平均ストローク数(68.87)1位、パーオン率(73.15%)5位とショットが全般的に安定した1年だった。
大会2日目、LIVゴルファーで「アンダルシアマスターズ」で優勝したアドリアン・オタエギ(右)と、同組でプレーしたマキロイ。今年の2月の訴訟で最終決定が下されるまでは、LIVゴルファーは欧州ツアーでプレーできる。
「生涯最高の出来」と自画自賛
DPワールドツアー(欧州ツアー)の最終戦を飾るビッグイベント「DPワールドツアー選手権」が、昨年11月17日~20日、ジュメイラゴルフエステーツ(アラブ首長国連邦・ドバイ)で開催され、優勝はジョン・ラーム。
DPワールドツアー・ポイントランキング「レース・トゥ・ドバイ」では、今大会を4位で終えたローリー・マキロイが、総合優勝を飾った。
彼の総合優勝は2012年、2014年、2015年と、これで4回目。
昨シーズンの米PGAツアーの「フェデックスカップ」でも総合優勝を果たしているが、欧州ツアーのポイントランキングでも総合優勝を果たし、その上世界ランキング1位に返り咲いて、名実ともに世界の頂点に立ったのだった。
「とても自分を誇りに思うよ。ちょうど『マスターズ』直前の『テキサスオープン』に出ていた時は、ボールを新しくしたりして、あまり調子は良くなかったが、その後の『マスターズ』ではいいゴルフができた。今ほど自分のゴルフが安定していることはなかったと思う。今年は欧米両ツアーで素晴らしい年を送ることができた。フェデックスカップが終わったあとに、こっちのツアーでも優勝したいと思ったので、『BMW PGA選手権』や『イタリアオープン』、『ダンヒル』にも出た。こうしてDPワールドツアーの総合優勝もでき、素晴らしい形で1年を終えることができて本当によかった」
今年はLIVゴルフの出現で、忙しい1年を送ったマキロイ。
PGAツアーの選手会長として、スポークスマンとして、PGA ツアーに忠誠を誓い、LIVゴルフに対して反撃を続けてきた。
自分のプレーに集中できるのは、試合中しかない、とも語っていたが、そんな状況の中、欧米両ツアーで総合優勝を果たし、世界ランク1位に返り咲くことができた彼は、メジャー優勝を果たすことはなかったにせよ、ゴルフ人生でも最も充実、成功した1年を送ることができたと自負している。
「メジャーで最後に優勝してから8年経っているが、それ以降で最も全てを成し遂げた感がある。前回、レース・トゥ・ドバイで優勝してから3回もフェデックスカップで総合優勝を果たしているんだからね。今までにないくらい達成感がある。かれこれ15年ほどプロゴルファーとしてやっているが、新しいことを成し遂げるために、常にその方法を探してるんだ。33歳だけど、体調もバッチリ。今後もこの調子でやれればいいね」
2023年に向けて改善点は?
ショットもパットも調子がいいマキロイには死角が見つからないが、本人は「ウェッジをもう少し改善したい」と語っている。
また、調子のいいショットについても、違う球筋を打ったり、球の高さを打ち分けたりするために改善しなければいけない部分もあるという。
2023年1月はPGAツアー「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」を欠場したが、月末のドバイの試合(欧州ツアー)に出場予定。
その後は7月までは欧州には戻らず、米ツアーを主戦場とするという。
そして8月のフェデックスカップ最終戦の「ツアー選手権」まで出場した後は、再び欧州に戻り、「アイルランドオープン」「BMW PGA選手権」「ライダーカップ」などに出て、「DPワールドツアー選手権」で総合優勝を目指すのがマキロイのプランだ。
2022 DP World Tour Cha mpionship in Dubai
2022年11月17日〜20日 ジュメイラゴルフエステーツ(UAE ドバイ)
2022年「レース・トゥ・ドバイ」最終成績
優勝 | ローリー・マキロイ(北アイルランド) |
2位 | ライアン・フォックス(ニュージーランド) |
3位 | ジョン・ラーム(スペイン) |
4位 | マシュー・フィッツパトリック(イングランド) |
5位 | トミー・フリートウッド(イングランド) |
6位 | ビクトル・ホブラン(ノルウェー) |
7位 | ウィル・ザラトリス(米国) |
8位 | エイドリアン・メロンク(ポーランド) |
9位 | シェーン・ローリー(アイルランド) |
10位 | トーマス・ピータース(ベルギー) |
11位 | ティレル・ハットン(イングランド) |
18位 | ロバート・マッキンタイヤー(スコットランド) |
32位 | ミンウー・リー(豪州) |
46位 | コリン・モリカワ(米国) |
60位 | アダム・スコット(豪州) |
87位 | 川村昌弘(日本) |
「レース・トゥ・ドバイ」歴代優勝者
2022年 | ローリー・マキロイ |
2021年 | コリン・モリカワ |
2020年 | リー・ウエストウッド |
2019年 | ジョン・ラーム |
2018年 | フランチェスコ・モリナリ |
2017年 | トミー・フリートウッド |
2016年 | ヘンリク・ステンソン |
2015年 | ローリー・マキロイ |
2014年 | ローリー・マキロイ |
2013年 | ヘンリク・ステンソン |
2012年 | ローリー・マキロイ |
2011年 | ルーク・ドナルド |
2010年 | マーティン・カイマー |
2009年 | リー・ウエストウッド |
2008年 | ロバート・カールソン |
2007年 | ジャスティン・ローズ |
2006年 | パドレイグ・ハリントン |
Text/Eiko Oizumi
大泉英子
「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男・女・シニア、海外メジャー取材は100試合以上。全米ゴルフ記者協会会員。
Photo/Eiko Oizumi、Getty Images