Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe
今週の星野陸也は、優勝争いをする目標のほか、もう一つの記録のために戦っていた。JGTOの試合に出場した大会での、連続60台の記録の更新(1985年以降の記録)だ。昨日の段階では、セルヒオ・ガルシア(1999年「ダンロップフェニックス」〜2003年「ダンロップフェニックス」まで)の15回、石川遼の15回(2022年「ダンロップフェニックス」〜2023年「関西オープン」2R)と並び、星野も2022年「ダンロップフェニックス」3Rからの15回という連続記録を持っていた。第2ラウンドで60台をマークすれば、ガルシア、石川を抜いて単独1位となる予定だったのだ。
星野は第2ラウンドの1ホール目をボギーとしたものの、その後スコアを伸ばし、5バーディ、2ボギーの67をマーク。見事60台のスコアをキープし、JGTOツアー史上初の16回を記録した。
「途中、1アンダーになった時はヒヤヒヤしたけど、結果、3つ伸ばせてよかった。記録は何よりも意識していましたよ。ついに明日から、(60台を出さないといけない、というプレッシャーから)解放されるな、と。基本のマネージメントは同じようにするが、へんなプレッシャーからは解放された」
自分のイメージよりもグリーンの硬さとピン位置が、第2ラウンドになって難しくなってきたと実感した星野。
「ピン位置とグリーンが変わるだけで、こんなに難しくなるんだな、と痛感。今日は少ないパー5でしっかり取れたことが大きかった。5番では、もう1つ保険にバーディが欲しかったので、ガッツポーズしそうになりました」
60台のスコアを常に出し続けるのは、容易なことではないが、このようにコンスタントに安定したスコアが出せるのも、3年前にスイング改造を行ない、そのスイングが安定し、昨年の後半から使い始めたドライバーが、そのスイングにマッチしてきたことが要因だと語る。
今週は自宅から通っており、何不自由なく1週間を過ごしている星野。スーツケースの荷解きをする必要もなく、必要なものは全てある状態。家族が作ってくれる食事もあり、自分のベッドで眠れるという利点を活かして、今週末も60台のスコアを積み重ねながら、地元での優勝を狙う。