Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe
第2ラウンドを終えて5バーディ、1ボギーの66をマークし、首位のジャズ・ジェーンワタナノンド、ルーカス・ハーバートに2打差の5位タイにつけている金谷拓実。日本人の中では最上位だ。彼は今年の2月、アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ・オマーン」で海外ツアー初優勝を飾っているが、
彼の好調ぶりは、今年に入ってずっと意識して行なっている、あることがカギのようだ。
「歩くスピードだったり、ゴルフ場にいない時でも自分の心拍数を意識して、同じスピードで生きていけるようにしています(笑)。今年はずっとそのことを意識していて、オマーンで優勝した時もそうでした」
「歩く時、ご飯を食べる時、映画を観る時、会話も同じスピードで。ミスショットしている時は、スイングだけではなく、ルーティーン、素振り、クラブを抜く動作も含めて慌てているように見えるそう。だから、同じスピードを心がけて、打つ前には深呼吸をしています」
ピンチやボギーにも動じず、常にフラットなメンタルでプレーをする、という試みは、今年の金谷の好プレーを大きく支えている。アマチュアもそうだが、ミスする時はつい打ち急いだり、あるいはボールのある場所に走って移動し、呼吸が整わないうちに打ってしまう時に出たりするもの。金谷の「コース内外で、常に同じスピードで動くようにし、心拍数を上げない」と意識することで、この辺りのミスは、アマチュアでも少しは解消できるのかもしれない。
「とにかく自分らしいプレーをして、しっかりたくさんバーディを獲っていきたい」という金谷。昨年末はDPワールドツアーのQスクールを1次から受け、ファイナルまで進んだが35位タイに終わり、出場権を獲得することはできなかった。海外志向が強く、今年も機会があれば、DPワールドツアーやアジアンツアーなど、世界で戦い、経験を積んできた金谷だが、日本の地で行なわれている今週のDPワールドツアーで優勝すれば、念願のDPワールドツアーのシード権を獲得でき、2021年「東建ホームメイトカップ」以来のJGTOツアー4勝目(プロ入り後は3勝目)も手に入る。平常心でビッグタイトルを狙う。