世界のトッププロたちは、毎週各地を転戦し、自宅で家族と過ごす時間はあまりない。
しかし過酷なスケジュールの中、頑張れるのも家族がいるから。
プロたちの大事なチームである家族を紹介。
第1回はセルヒオ・ガルシアの家族を紹介する。
子煩悩なガルシア。アンジェラとの結婚で真の幸せをキャッチ。
デビュー当時からビッグイベントになると、父母、兄、妹など家族総出で応援に駆けつけるガルシア一家。
2017年にはテキサス出身のアンジェラ・エイキンスと結婚し、一児のパパに。
今年は男児が誕生するというニュースが飛び込んできた!
デビュー当時から、数々の女性と交際しては破局を繰り返してきたセルヒオ・ガルシア。
過去、テニスプレーヤーのマルチナ・ヒンギス、グレッグ・ノーマンの娘のモーガン・レイ・ノーマン、ドイツの元トップアマだった美女のカタリナ・ボエムなどと交際し、メジャーやライダーカップなど、注目を集める場所にガールフレンドを連れてきては、話題を振りまいていたが、どの恋愛も最後は破局に終わり、時にはそれがゴルフの成績にも大きな影響を与えることもあった。
ノーマンの娘にフラれた直後の全米オープンの記者会見では、その話題について聞かれると「交際が終わってしまって非常にがっかりしている。試合に出る力も出ない」と正直な心情を記者たちの前で吐露し、意気消沈していたこともあった。
そんな彼の目の前に一人のテキサス女性が出現!
成績も安定し、マスターズでは初のメジャー優勝を達成。以前はうっかり発言やおバカな態度で非難を浴びることも多かった彼が、大人の男性に成長した。
ガルシアを大人にしたアンジェラ・エイキンス
その女性の名はアンジェラ・エイキンス。
テキサス大のゴルフ部員だった彼女は、父はオールアメリカンのクオーターバックの選手で、いとこや祖父もサッカーの選手というスポーツ一家。
スペイン人といえば、陽気でイケイケな性格を想像するが、ガルシアは意外と繊細でネガティブな思考を持つ選手。
並外れたショット力と実力を持ちながら、なかなかメジャーが獲れないとウジウジしていた彼を、彼女の家族(特に父親)がポジティブシンキングでバックアップし、マスターズで優勝を果たすことができた。
出会いは、彼女は元ゴルフチャンネルのレポーターを務め、ガルシアをインタビューしたのがきっかけ。
長年独身貴族だった彼も、こうして素晴らしい女性に出会い、幸せな人生を送っている。
愛娘の「アゼリア」はオーガスタのシグネーチャーフラワー
結婚した翌年3月には娘が誕生。
前年にマスターズチャンピオンになった彼は、その子にオーガスタのシグネチャーフラワーである「アゼリア」と名付けた。
そして今年の4月には、男児が生まれる予定だという。
マスターズの開催週と重なるのかどうかは定かでないが、このハッピーな知らせを心待ちにしたい。
2018年3月に誕生したアゼリアちゃん(中央)。17年にマスターズで優勝したガルシアは、オーガスタのシグネチャーフラワーであるアゼリアから娘の名前を付けた。
父であり、コーチであるビクトル(右)。スペインのメディタラニオGCのヘッドプロを務めている。
Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images, Dubai Omega Desert Classic
Sergio Garcia Special Interview
人間、セルヒオ・ガルシア「人生で学ぶこと」
過去、失言や人騒がせな行動で非難を浴びることも多かったガルシア。
彼はある意味正直すぎるところもあり、トラブルを巻き起こすこともあるが、昔に比べるとだいぶ大人になった。
そんな彼に直撃インタビュー!
「悪いことをしても、善い行いをもっとたくさんすればいいんだ」
――昨年の欧州ツアーのKLMオープンの優勝を含め、昨シーズンはどうでしたか?
ガルシア:昨シーズンは、まあまあでしたね。
成績の浮き沈みはありましたが、全体的にはかなりよかったと思います。
何度もトップ10に入るなど、昨年は非常によいスタートが切れました。
初めてKLMオープン(オランダ)に出ましたが、勝つことができよかったですね。
――2017年にマスターズで優勝しましたが、その後何か変わったことはありますか?
ガルシア:マスターズで勝ちたいと本当に長い間、思ってましたからね。
でも優勝したからといって、すべてが終わったわけではありません。
ボクは競技者として、もっと上手くなりたいと思っています。
できるだけ多くのトーナメントで優勝したいですし、願わくは、何年もそうしていけたらと思います。
――全米プロが去年から、8月から5月に変更になりましたが、何か影響はありますか?
ガルシア:いいえ、実のところあまり、変化はありません。
以前よりも少し早くピークを持っていく必要はありますが、練習方法や準備についてはそれほど大きな変化はありませんね。
昨年、欧州ツアーのKLMオープンで優勝。左隣は、兄でキャディを務めたビクトル・ガルシア。
人間なので失敗もある。うまく対処して学ぶことが大事
――昨年、サウジアラビアでは何度もグリーンを傷つけ失格になった事件がありますが、こうした行いに対してはどう思いますか?
ガルシア:ボクもロボットではありませんからね~(苦笑)。
我々は人間であり、時にはカッとなることもありますが、最も大切なことは、そのようなことから学ぶということ。
それに、善い行為が悪い行為を上回るようにすることも大事だと思っています
ボクも人間なので、失敗もありますよね。
それを重大と考える人もいれば、大したことではないと考える人もいる。
自分ができる唯一のことは、できる限りうまく対処し、そこから学ぶことです。
――今どきの若者たちは、あなたがゴルフを始めた頃よりも成功するチャンスはありますか?
ガルシア:そう思います。
私にそのチャンスがあまりなかったと言っているわけではありませんが、私の父親はプロゴルファーで、私はゴルフコースの隣に住んでいたので、それが役に立ったのは明らかです。
しかし、今日ではゴルフをしやすい環境になっているので、ゲームの向上に役立っていると思います。
――セルヒオ·ガルシア財団はマドリード病院に資金を寄付しています。この財団とその事業について教えてください。
ガルシア:(ボクが居を構えている)スペイン、スイスおよび米国にある3つすべての財団の業績を非常に誇りに思っています。
障がい者ゴルフを支援しようとして、過去17年間にわたり数多くの様々な事業を行なってきました。
子ども、若者のがんの研究にも投資してきました。
マドリードの病院のX線室にも投資しています。このように、常にできる限り多くの人々を、主に子どもを重点的に支援しています。
――ゴルフコースの設計についても興味があるということですが……
ガルシア:もちろん、ゴルフコースの設計は、いずれは本格的にやりたいと思いますが、いつになるかわかりませんね。
10年後、チャンピオンズツアーでプレーしているか、家族と時間を過ごしているか、新たな趣味を探しているかもわかりませんからね。
――契約先のオメガの時計の中で、気に入っているモデルはありますか?
ガルシア:黒のストラップ付きのローズゴールドのシーマスターを本当に気に入っています。
発売されたばかりの新しい超軽量のスポーツウォッチも。
それを付けてゴルフをしていますよ。
デビュー当時から時計ブランドの「オメガ」と契約している。
Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images
Thanks to Omega Dubai Desert Classic