• 国境や人種を超えたスポーツの力とゴルフの愉しさをすべての人に。
  1. ホーム >
  2. ISPSゴルフイベント >
  3. 【ISPS NEWS】ISPS HANDA欧州・日本どっちが...

【ISPS NEWS】ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメン ト!世界を股にかけて戦うルーカス・ハーバートが欧州ツアー3勝目

2023年4月20日~23日/PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)
ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!

今年は欧州の勝ち!
世界を股にかけて戦うルーカス・ハーバートが欧州ツアー3勝目

優勝

ルーカス・ハーバート(豪州)
1995年12月5日生まれ。188センチ、91キロ。2020年欧州ツアーの「オメガ・デザートクラシック」でプロ入り後初優勝を遂げ、その後「アイリッシュオープン」で2勝目。2021年「バターフィールド・バミューダ選手権」で米ツアー初優勝。今大会の優勝で、通算4勝目。現在、米ツアーを主戦場に、欧州、豪州でも戦っている。

左からISPS半田晴久会長、ルーカス・ハーバート、DPワールドツアーCEOキース・ペリー氏、JGTO青木功会長。

憧れのアダム・スコットのように「マスターズ」で優勝したい。

©Yoshitaka Watanabe

ベテランキャディのニック・プーがジャンプしてハーバートに抱きつき、優勝を祝福。

©Yoshitaka Watanabe

アーロン・コッカリル(右)との2ホールのプレーオフを制し、優勝したハーバート。

©Yoshitaka Watanabe

優勝賞金4420万3400円を獲得したハーバート。世界ランキングは、今大会出場選手中最上位の59位だったが、優勝したことで、42位に浮上した。

©Yoshitaka Watanabe

最終日、6バーディ、1ボギーの65をマークした岩田寛が、4位タイで、日本人で唯一のトップ10入り。平均パット数とパーキープ率は、大会を通して1位。

©Yoshitaka Watanabe

地元優勝が期待された星野陸也。3日目を終えて、金谷拓実とともに、首位と2打差の4位タイにつけていたが、最終日に75を叩き、23位タイに終わった。

©Yoshitaka Watanabe

表彰式のスピーチで、ガンと闘う豪州の母に感謝。

©ISPS

表彰式の後で、キャディのニックが兜をかぶって記念撮影。優勝した本人よりもよく似合ってる?!(笑)

大会中、最強の男が練習ラウンドなしで勝利!

昨年はコロナ禍の影響で、日本ツアー単独開催となったISPS HANDAの大会が、ついに今年、史上初の日欧ツアー共催として実現。
その第1回目の大会は、今大会のフィールドで世界ランク最上位のルーカス・ハーバート(豪州)が優勝した。

「アマチュアでもプロになってからも、日本でプレーしたことはあるので、日本でのプレーは慣れているが、ここで優勝できて嬉しい。特にISPSアンバサダーになった年に優勝できたことは素晴らしい。ISPSの活動は本当に素晴らしいし、その一員としてプレーすることはとても光栄だ」

現在、米国PGAツアーを主戦場としながらも、DPワールドツアー(以下欧州ツアー)と豪州ツアーでもプレーする、ワールドワイドプレーヤー。
大会前週にはPGAツアー「RBCヘリテイジ」に出場していたが、日本への旅の途中でトラブルに遭い、練習ラウンドを一度もこなせず、ぶっつけ本番で試合に臨んだ。
だが、今大会前の世界ランクはフィールド最高位の59位。練習ラウンドなしでも優勝できる実力を見せつけた。

今大会のワールドランキングは欧州ツアーの中でも高めで(ロレックスシリーズを除く)、優勝者には19・2ポイントが与えられたため、優勝後は世界ランク42位にまで浮上。
海外メジャーに全て出られるトップ50のエリート集団に食い込むことができただけに、今回の勝利はハーバートにとってかなり大きな1勝となった。

また、欧州ツアーの「レース・トゥ・ドバイ」ランキングでも4位に浮上している。

欧米両ツアーで4勝をしているハーバートの次なる狙いは、やはりメジャー獲りだろう。

「今週優勝したことで、オーストラリアの選手の中で、一番ではないかもしれないが、強い選手の仲間入りを果たせたのではないか、と思う。僕はグリーンが似合うので『マスターズ』で優勝したいが、贅沢は言わない(苦笑)。『全米プロ』も控えているので、そこで優勝できればいい」と語った。

子供の頃の母国のヒーローといえば、ジェイソン・デイとアダム・スコットだったというハーバート。
昨年の「全英オープン」で、キャメロン・スミスが優勝したばかりだが、この豪州勢のメジャー優勝の流れに乗り、ハーバートもメジャー優勝を果たしたいところだ。

なお、表彰式ではオーストラリアで乳ガンと闘う母メレディスさんへもメッセージ。
今大会後は、豪州に戻り、母に会いに行ったという。
少しでも母の生きる力、ガンと闘う力になりたい、とルーカスは世界を股にかけて戦っている。

最終成績

優勝ルーカス・ハーバート−15
2位アーロン・コッカリル−15
3位カルム・ヒル−14
4位岩田 寛
グラント・フォレスト
−13
6位ロバート・マッキンタイヤ
ヤニク・ポール
ジョーダン・スミス
−11
9位ホルヘ・カンピーヨ
デオン・ガミシュイズ
ジャズ・ジェーンワタナノンド
−10
12位中島啓太 金谷拓実−9
16位稲森佑貴−7
23位桂川有人 星野陸也
ラファ・カブレラ・ベロ
−6
31位石川 遼−5
35位香妻陣一朗−4
45位蝉川泰果−3
51位谷原秀人−2
68位アーニー・エルス+3

予選落ち/中西直人、川村昌弘、宮里優作、比嘉一貴、池田勇太、片山晋呉ほか

「同じコースでも、セッティングによってこんなに難しく変わる!」石川 遼

©Yoshitaka Watanabe

31位タイで終了した石川 遼。決勝ラウンドでは、アーニー・エルスと2日間、プレーした。

©PGM

コースセッティングアグロノミー(農科学)のエディ・アダムス氏(左)が今大会のコースセッティングを統括。PGM石岡GCのグリーンキーパー、松本竜太氏(右)とともにコースを繊細に丁寧に作り上げてきた。

©Yoshitaka Watanabe

JGTOとDPワールドツアーで、アウトとインのピン位置を分担。DPワールドツアーのピン位置は、JGTOに比べて、グリーンの端に切られることも多く、難しかったと多くの選手が語っていた。

日欧ツアー初共催の今大会は、コースセッティングの上でも大きな発見をもたらした。
アウトとインで、日本、欧州がコースセッティングを分担したが、過去何度もJGTOの試合を開催してきたPGM石岡GCで、日本人選手が経験したことのない難しさを味わった。
過去、海外ツアーを経験している石川遼は、次のように語る。

「去年2回、ここでやった時とピン位置が違うし、グリーンの速さ、硬さも違う。去年はどこに外しても寄せられると思ったが、今回ははっきりと『ここからは寄らない』というところが毎ホール必ずある。こういうところがPGAツアーやDPワールドツアーっぽいな、と思うし、 DPワールドツアーがこのコースの良さを引き出しているなと思った」

コースの長さや広さは、日本のコースに限界はあるものの、ピンを切る位置などによって同じコースでも難易度が高くなり、違ったコースに見えると力説する。

「僕がゴルフで重視しているのは、ピンを狙うショットの精度だが、この精度が高ければ、飛ばなくても世界でやっていける。いいショットと悪いショットの差がきちんと出るようなコースセッティングの基準があると思うし、どんな状況でも上に行ける選手が強い選手。そんな選手を育てるようなコースセッティングを考えることが大事だと思う」

かつて、海外ツアーやメジャーを経験した選手たちから「日本のコースではうまくならない。海外のコースのようにタフで、公平なセッティングができないとダメ」という声が聞こえてきたこともあったが、今回のように、日本のコースでも海外ツアーのセッティングをすると、十分、海外で通用する選手を育てられる可能性があることがわかった。

「このコースはジャック・ニクラスの設計だが、設計者の元々の意図をすごく感じる」と石川。
日本にも、セッティング次第で海外ツアーのような難しいコース、選手に学びのあるコースが眠っている可能性はかなり高い。

アーニー・エルスも来日! 
ISPSの大会を盛り上げたアンバサダーたち

©Yoshitaka Watanabe

今大会の出場のために世界中から集まったISPSアンバサダーの選手たち。谷原秀人、稲森佑貴、香妻陣一朗、桂川有人などの日本人選手の他、アーニー・エルス、トーマス・ビヨーン、ラファ・カブレラ・ベロなども出場。

©Yoshitaka Watanabe

ISPS半田会長とDPワールドツアーCEOのキース・ペリー氏の長年にわたる関係で、今回の大会開催が実現した。「情熱を持ってやらなければ、人々に感動を与えることはできない」

ISPSのゴルフのアンバサダーは国内外合わせて76人いるが、今回の歴史的な日欧初共催試合にアーニー・エルス、トーマス・ビヨーンや、世界で活躍するラファ・カブレラ・ベロ、クリスティアン・ベゾイデンハウトなども参加し、大会を盛り上げた。

また、ラグビー界のレジェンドのリッチー・マコウ、ダン・カーター、マイク・ティンダルや、英国王室のピーター・フィリップス氏(ISPS英国総裁)、元ニュージーランド首相のジョン・キー氏(ISPSパトロン)、元アイルランド首相のエンダ・ケニー氏(ISPS総裁)らも会場に駆けつけ、大会のグレードアップに貢献。
日本人契約選手で初期メンバーの谷原秀人や、昨年の大会でツアー初優勝を飾った桂川有人、稲森佑貴、香妻陣一朗も、4日間をホストプロとして戦い抜いた。

ISPSならではの“ゴルフ文化の創造”
DPワールドツアーでも実施!

©Yoshitaka Watanabe

あのプリンセス天功がISPSの大会に登場!

©ISPS

世界で活躍するイリュージョニスト、プリンセス天功が帰国し、大会後のゴルフ場でパフォーマンスを披露。

「変面」など、中国雑技団によるショーも行なわれ、大勢のギャラリーを楽しませた。

©Yoshitaka Watanabe

犬と猿のかわいらしいショーも、子供から大人まで、幅広い層に人気だった。

恒例の〝アイス食べ放題“

ISPSイベント恒例の「アイス食べ放題」を今回も実施。ハーゲンダッツやガリガリ君などを無料でギャラリーに振る舞った。

©Yoshitaka Watanabe

観戦に来ているゴルフファンや大会に出場している選手たちが、ゴルフに集中でき、楽しめるように託児所を設置。キッズエリアも用意し、大人だけでなく、子供も楽しめる空間を作った。

©ISPS

急遽行なわれた、半田会長によるオペラ独唱。大勢の観客から拍手喝采。

当初、DPワールドツアーが主催だから、ということで、ISPS恒例のエンタメやアイス食べ放題などのサービスは予定されていなかったのだが、半田会長のおもてなし心に火がつき、大会期間中に犬や猿のショーや、雑技団によるショー、自らのオペラ独唱、そして究極はなかなか日本で鑑賞することのできない「プリンセス天功のイリュージョン」までが追加され、ゴルフ観戦だけではない、エンタメをも楽しめるゴルフ文化の創造の場と化した。

DPワールドツアーも、大会後にコンサートなどを会場で開くなどのエンタメは行なっているが、まさかここまでのものは予想していなかったに違いない。キース・ペリーCEOも大満足の様子だった。

日本文化・体験コーナー
陶芸と寿司に奮闘する欧州ツアーの選手たち

©Yoshitaka Watanabe

陶芸に挑戦したDPワールドツアーメンバー。左からロバート・マッキンタイヤ、ラスムス・ホイガード、岩﨑亜久竜。

来日は初めて、という欧州ツアーの選手たちも多かったが、わずかな時間でも日本の文化を楽しんでもらいたいと、陶芸や寿司作りを楽しめるコーナーをDPワールドツアーが用意。
初めての経験にとまどいながらも、日本の文化に触れて皆、嬉しそうだった。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe、ISPS

関連する記事