O嬢の現地レポート
現地に行ってみないとわからないアジアのLIVを取材
今年、メジャー優勝のチャンスはあると思う
フィル・ミケルソン
シンガポール大会で、人生で初めて、1W、2W、3Wの3本のウッドを入れて戦ったフィル・ミケルソン。
シンガポールの猛暑対策として、濡れたタオルを首に巻き、傘をさしてプレーしていたミケルソン。
今年の「マスターズ」で最終日の猛追の末、2位タイまで浮上した52歳のミケルソン。
現在、LIVゴルファーには世界ランキングポイントが与えられていないため、今後LIVゴルファーがメジャーに出るのは難しくなってくるが、メジャーの各団体が、最高のゴルファーを出場させたいと思っているなら、世界ランキングではなく、別の方法を探さなければならない、とミケルソンは語った。
「LIVのトップ5か10、あるいは優勝者など、LIVのベストプレーヤーを選出する方法を見つけなければならなくなるだろう。ゴルフ界のベストフィールドで試合をやってこそ、真のメジャーだからだ」
そして自分自身の調子についても「100%の確率で良くなっているし、メジャーで戦えるレベルに戻ってきている。自分のゲームが噛み合ってくれば、メジャーで優勝争いできると思う。ゴルフ人生の終盤で、このようなレベルでゴルフができる人は、そう多くはないが、ケガもなく、高いレベルで必要な練習ができるのも、トレーニングし、自分をいい状態にキープできているから」と語った。
まもなく、彼がキャリアグランドスラムを達成するために、どうしても勝ちたい「全米オープン」がやってくるが、今年こそ悲願の優勝ができるか。
ブルックス・ケプカとブライソン・デシャンボーのビミョーな関係
シンガポールでは2日間、同じ組でプレーしていたケプカ(左)とデシャンボー。
以前、デシャンボーのスロープレーに苦言を呈したことがきっかけで、ギクシャクとした関係を続けてきた2人。
今では、両者がLIVゴルフに参入し、まさに「呉越同舟」といった感じだが、今の2人の関係はどうなっているのか?
LIVゴルフに入り、同じ記者会見の場にいたり、48人しかいないLIVの大会で同じ組で回ることも増えたようだが、ショット間の歩行中に会話するシーンは、シンガポールではゼロ。
せいぜいグリーン上で、マークの位置について競技上の会話を交わすくらいだった。
2人の間に確執はまだあるのか、ないのか、ビミョーな関係である。
タイガーはLIVゴルフを熟知している
ポッドキャストで、タイガーとオーガスタの練習場で会話した内容を語ったグーチ。
テーラー・グーチは「マスターズ」の練習場で、タイガー・ウッズと隣り合って練習していた時、ある会話を交わして驚いたそうだ。
LIVに対して人一倍辛辣に批判しているタイガーが、グーチがババ・ワトソンのチームに属していること、「マスターズ」の後でアデレード、シンガポールにいくことを知っており、シンガポールに行ったら、マリーナ・ベイ・サンズのカジノにいくことを勧めたのだそうだ。
「バカラのやり方を教えてあげたい」とまで言われたという。
タイガーはPGAツアーの敵であるLIVに対して、最低限の情報は押さえているようだ。
チームだからこんなイイコトがある!
ジェイムス・ピオット
2021年「全米アマ」チャンピオンのピオットは、2022年5月にプロ転向。翌月に開幕した「LIVゴルフ・ロンドン」に出場し、フィル・ミケルソン率いる「ハイフライヤーズGC」のメンバーに。現在24歳。
ハイフライヤーズGCのキャプテン、フィル・ミケルソンもチーム競技の良さを実感。
シンガポール大会の記者会見で、「チームのメンバーがお互いに助け合っている」とキャプテンのミケルソンが語っていたハイフライヤーズGC。
その最年少選手のピオットはキャプテンの「マスターズ」での好プレーを観て、いい刺激を受けたというが、オフシーズンには、ミケルソンの自宅に行き、裏庭でアプローチのレッスンを受けたそうだ。
「冬にサンディエゴに行って、フィルにショートゲームを教えてもらってから、劇的に変わってきたよ。フィルの庭でショートゲームを教えてもらえるなんて、最高! って思ったよ」
チームで教え合うことの恩恵を受けているのは、実はピオットだけではなく、ミケルソンも。
「マスターズ」でのパットの好調ぶりは、同じチームメイトのキャメロン・トリンゲールから教えてもらったことが大きいという。
「彼のパッティングを見ていれば、いかに安定感があり、ソリッドかがわかる。いくつか彼に教えてもらって、オーガスタの練習日にそれをやり始めたら絶好調だったよ」
ファンサービスとゴルフの普及
LIVゴルフのエンタメ性
ラウンド中も音楽が鳴り、選手たちも短パンでプレー。
従来のツアーに比べると、エンタメ性が強く、カジュアルな印象のLIVゴルフだが、ゴルフの敷居を下げて世界中にゴルフを普及させたい、という願いもある。
そんなコンセプトが垣間見られるシーンを探検!
大人と子供が一緒に楽しめるパットゴルフ。
ゴルフが初めての子供でも、気軽に始められる。
お土産売り場では、アイアンヘッズGCのプロたちによるサイン&写真撮影会も。選手は左からダニー・リー、ケビン・ナ、キム・シバン、スコット・ビンセント。
自分の好きなチームのタトゥを入れてもらえるコーナー。
開幕では、シンガポールらしく「ライオンダンス(獅子舞)」を披露。
ビールを飲みながらゴルフを観戦して盛り上がる、シンガポールの人々。海外から観にきている人も多かった。
Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/LIV GOLF