Text & Photo/Eiko Oizumi
現在21歳で、昨年まで韓国のナショナルチームに在籍していた、アマチュアのチョ・ウヨンが、アジアンツアー、韓国ツアー、日本ツアー共催の「シンハンドンヘオープン」で2日目、1イーグル、6バーディと8つスコアを伸ばし、64をマーク。通算13アンダーにして単独首位に立った。
「第1ラウンドでよかった日は、第2ラウンドでスコアを落とす日があったので、そうならないようにしようとしたのがよかった。第1〜2ラウンドとも、2打目に助けられたと思う。スコアを伸ばすには2打目が重要だと思っているが、ここ2試合は2打目があまりよくなくて、もどかしさを感じていた。今回はいい調子でいいスコアを出すことができた」
彼がプロの試合で上位に行くのは、初めてのことではない。アマチュアにしてすでに今年、KPGAコリアンツアー「ゴルフゾンオープン・イン・チェジュ」で1勝を挙げ、KPGA下部ツアーの「KPGAスリクソンツアー2回大会」でも優勝している。今回優勝すれば、過去2試合よりも断然格上の試合で優勝することになるが、それでも動じる様子はまったくない。むしろ、彼にとっては9月23日から始まる、「アジア競技大会・杭州(以下アジア大会)」の方が重要であり、緊張感があるようだ。
「アジア大会」にはイム・ソンジェ、キム・シウーらPGAツアーのトッププロと共にチョ・ウヨンも出場することになっているが、この大会で金メダルを獲得すると、韓国人男性に課せられている「兵役」が免除になる。過去、それまではPGAツアーや日本ツアーなどで活躍していた選手が「兵役」に行き、その後、兵役から復帰しても再びプロゴルフ人生で成功している選手はいない。ベ・サンムンやドンファンなども然りである。だから、自分のゴルフ人生の成功のために、是が非でも金メダルを獲得して兵役行きを阻止する、というのが彼らの大きな目標になっている。
イム・ソンジェのようなプレースタイルに憧れつつ、将来はPGAツアーで戦いたい、というチョ・ウヨンは、今年の秋にプロ転向する予定。今週の試合で優勝して大きな自信を得れば、アジア大会での活躍にとっても大きなステップとなることだろう。