Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Bahrain Championship
13年ぶりに欧州ツアーが開催されたバーレーンだったが、DPワールドツアーになってからは初の「バーレーン選手権」で優勝したのは、南アフリカのディラン・フリッテリ(33歳)。「アフラジアバンク・モーリシャスオープン」優勝から6年後に、3回目のDPワールドツアー優勝を飾った。
「すばらしい!最高の気分だ。DPワールドツアーを離れてアメリカに行ってから、ここ5〜6年は長い道のりだった。昨年はアメリカでかなり厳しい1年を送っていたので、今こうして、頂点に戻ることができて最高の気分だ」
2022〜2023年のPGAツアーシーズンを振り返ると、35試合に出場し、予選落ち24回、棄権3回。8回しか予選通過をしておらず、トップ25に入ったのはわずか2回。「サンダーソンファームズ選手権」の13位タイが最高位だった。PGAツアーでは2019年「ジョンディアクラシック」で優勝しているが、その後は鳴かず飛ばず。フリッテリは優勝スピーチで「正直言って、昨年はゴルフを辞めて、何か別のものを探そうと思ったことが何度もあった」と告白。だが、「昨年末に(スランプからの)解決法が見つかって、フィジオやトレーナー、コーチと一緒に取り組み、粘り強く頑張ってよかった」と、ゴルファーの道を諦めずに取り組んだことで、今回の優勝につながったことを明かした。
同じく南アフリカのオッキー・ストライダムに2打差の首位で、最終日、最終組でスタートしたが、フリッテリはフロント9で苦戦。1ストローク落として後半戦に突入した。一時は同組で回っていたイェスパー・スベンソンが首位に立ったこともあったが、13番、14番でフリッテリが連続バーディを決め、16番・パー3でも長いパットを決めてバーディ。2位のイェスパー・スベンソンに2打差をつけ、優勝した。
先日の「ファーマーズ・インシュランスオープン」では、DPワールドツアーの2023年「レース・トゥ・ドバイランキング」でトップ10のカテゴリーで、今季からPGAツアーに本格参戦しているマチュー・パボンが優勝したが、今回は逆にPGAツアーからの枠で出場したフリッテリが優勝。PGAツアーとDPワールドツアーの戦略的提携によるパスウェイが確立されたことによって、このように両ツアーにとって活性化をもたらしている。