もう、ナイキTWロゴは卒業
タイガー・ウッズの新章がスタート!
SUN DAY REDで優勝を目指す
シンボルカラー「サンデーレッド」で、ツアー83勝目に期待!
タイガーの代名詞が新アパレルのロゴに
今年の1月に、27年間にわたるナイキとの契約終了を発表したタイガー・ウッズ。
2月12日に、クラブ契約先のテーラーメイドと提携した新アパレルブランド「Sun Day Red(サンデーレッド)」を正式に発表し、自らホストを務める「ジェネシス招待(リビエラCCで開催)」から着用開始。
大いに注目を浴びた。
タイガーブランドの「Sun Day Red(以下SDR)」は、〝走るトラ〟がロゴになっており、胸やキャップ、グローブ、シューズにそのロゴが入っている。
このブランドの名前は、タイガーが日曜日に赤いシャツを着ることから付けられたもの。
母クルチダさんから、「山羊座(12月30日生まれの星座)のパワーカラーは赤だ」と言われており、「ジュニアの頃から、赤を着ているし、スタンフォード大のスクールカラーも赤。プロ入りしても最終日には赤を着た。サンデーレッドは僕の代名詞」と語っている。
SDRを身に纏いタイガー、今季始動
早速「ジェネシス招待」の練習日から、全身、SDRのロゴのウェアやキャップ、グローブ、シューズを纏い、リビエラCCに登場。
メディアをゾロゾロと引き連れての練習ラウンドとなった。
記者会見で、「ナイキを離れて、今後はテーラーメイドになったことを考えた時に、TWのロゴはどうなるのか?取り戻したいと思うか?」と問われ、「いや、取り戻したいとは思わない。気持ちは切り替わっているし、これは僕の人生の移り変わりなんだ。我々はSDRに移行し、ワクワクするようなブランドの構築を楽しみにしている」と語った。
日本への帰途につく際、ロサンゼルス空港内のゴルフショップコーナーでナイキのTWのキャップを見つけたが、これも在庫がなくなり次第、販売終了となることだろう。
また、大事故後、昨年の「マスターズ」のあとで足首の手術に踏み切ったタイガーだが、ニューシューズでも快適に歩くことができていると言う。
ただ、練習ラウンド中、少し違和感を感じたようで、「少しグリップ力を高めるために、昨日、鋲を打ち込んで調整したよ。フロリダの自宅でシューズのテストをしていた時と、ここで実際にラウンドした時とではかなり状況が異なり、斜面や濡れた芝の上でプレーしても、必要なグリップが得られるようにしたんだ。そのおかげで、いい感じだよ」と語っていた。
初日のラウンドを1オーバーで終えたが、翌日、6ホールをプレーしたところで、インフルエンザ感染のため、途中棄権。
リビエラCCで優勝したことのない彼は、「1992年から出場しているが、優勝したことがない。なんとか週末には優勝したい」と大会前に語っていたものの、「サンデーレッド」のウェアを最終日に身に纏うことなく、コースを後にした。
近い将来、タイガーのシンボルカラーでもある「サンデーレッド」を着用して、予選通過を果たし、優勝する日が来ることを世界のゴルフファンが願っている。
5月1日に、北米で男性アパレル販売開始
SDRはテーラーメイドゴルフカンパニーの一部として、カリフォルニア州サンクレメンテに本社を置くだけでなく、デザイナーやスタッフなど専任チームを擁する完全に独立したブランドとなる。
同ブランドは、あらゆる種類の高級アパレルとシューズを取り揃え、ライフスタイルブランドの一つとなるよう、ゼロからスタート。
テーラーメイドが設立したSDRチームは、タイガーと緊密に協力しながら、パフォーマンスアパレルとシューズに関して、タイガーの広範な知識と経験を活かして開発が進められていくと言う。
彼は細部に至るまで、こだわりを持つことで知られており、それがSDR製品において、重要な役割を果たすだろうと、テーラーメイドのホームページでも紹介されている。
そして正式な発表があった、サンタモニカでのイベントで、テーラーメイドのデビッド・エイブルズ社長は「今日は、テーラーメイド、タイガー、そしてゴルフ界にとって、歴史的な日であり、その一員になれることを光栄に思う」と語った。
また、発売に関しては、米国とカナダでメンズのアパレルラインが、5月1日からオンラインで購入可能に。
その後、北米エリア以外の主要市場に取り扱いを拡大し、シューズやレディース、子供向けのラインの提供も行なわれる。
PIFとは交渉中。「ツアーの一部になってくれればいい」
PGAツアーの選手会理事としてのタイガーの考え
タイガー・ウッズは、昨年8月にPGAツアー理事会のプレーヤーディレクターに就任。
6月にはPGAツアーがPIF(サウジ政府系ファンド)と統合について合意したことで、選手たちから大きな反響(驚きと怒り)があったが、それまで無言を貫いていたタイガーは、選手会のリーダーとして、選手やファン、スポンサー、その他ツアーに関わる人にとって最高のツアーにするために、立ち上がったのだった。
そんな立場の彼は、現時点でのPIFとPGAツアーの交渉、ここのところで浮上したSSG(ストラテジック・スポーツ・グループ)との提携などについて、どのように考えているのだろうか?
「我々は最終的には、最高のエンターテイメントを提供しようとしている。その実現のためには、最高のプレーヤーが、プレーする必要がある。ツアーの歴史や伝統を巻き込みながら、ツアーを現在と過去、そして願わくば、今後もますます良いものにしていくための経路やアクセスのしやすさ、無形資産の全てを手に入れたいと思っている。それを行なうために、SSGのようなグループが必要であり、我々に情報や支援を提供してくれた上で、可能な限り最高なツアーを作ろうとしているんだ」
「SSGが持っているコンソーシアム(共通の目的を持つ複数の組織が、協力するために結成する共同体)は、スポーツ業界では非常に優れており、彼らは信じられないほど素晴らしいリーダーだ。偉大なリーダーシップが求められる今、まさに必要な存在。このツアーをより良いものにするための、素晴らしいアイデアがあり、それを楽しみにしている」
一方、PIFについてはどうなっているのか?
また、タイガーはどのように考えているのか?
タイガーは、「SSGとの契約は確定したが、PIFとの取引は交渉中だ。PIFにもツアーや製品の一部になってほしいと思う。財政的には、今のところそうではないが、彼らが交渉のテーブルに着いた時の金額と、枠組み合意で最初に我々が合意した金額は同じだ。そしてこれ以上の金額が追加されるのは明らかである。短期的にも長期的にも、ツアーの内容を改善できることを願っている」と語っている。
「マスターズ」のキャディもランス・ベネット氏か?!
キャディに、元クーチャーのキャディを起用
タイガーが定期的に試合に出られなくなってから、彼のエースキャディであるジョー・ラカバ氏は、昨年5月、タイガーと相談の上、世界ランク7位のパトリック・キャントレーのキャディを務めることになった。
そんな彼が、再びタイガーの元に戻ることはなく、タイガーは「ジェネシス招待」のキャディにランス・ベネット氏を起用した。
以前、女子世界ランク1位だったロレーナ・オチョアや、マット・クーチャー、イム・ソンジェ、デービス・ライリーらのバッグを担いできたベテランキャディで、現在は、昨年のコンフェリーツアーの新人王に輝いた、エイドリアン・デュモン・ドゥ・シャサールのバッグをフルタイムで担いでいる。
シャサールが「ジェネシス招待」への出場資格を逃したため、タイガーのキャディを務めたが、今後、他の試合でキャディを務めるかどうかは不明だ。
「ランスとは何年もの間、素晴らしい関係を築いてきた。クーチ(マット・クーチャー)のキャディを務めていた時から、一緒に『プレジデンツカップ』や『ライダーカップ』でプレーしたこともある。地に足のついた、非常に堅実、忠実な人で、彼がどんな会話をしてきたかもわかってた。コースの見方や、ラインの読み方など、自分と同じ感覚を持っている。素晴らしいチームになると思う」とベネット氏について、タイガーは記者会見で語った。
昨年末の「ヒーロー・ワールドチャレンジ」では、親しい友人で、ビジネスパートナーのロブ・マクナマラ氏がキャディを務めたが、息子のチャーリーについては「彼がキャディを務められるとは思えない」と語っていた。
おそらく「マスターズ」では、出場権のないシャサールのキャディ、ベネット氏が再び務めるのではないかと考えられている。
Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images