ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!
今回のテーマは「マスターズはゴルフ界を救う?マスターズ観戦に伴う日米の経済効果」です。
コロナウィルスの影響で、マスターズ実施の可能性も危ぶまれ、オーガスタの経済も大打撃!
いよいよマスターズの季節がやってきた。
コロナウィルスの影響で、試合を実施できるのかどうか、3月中旬時点では不明だが、これだけ、世界が注目するトーナメントであるからこそ、いずれにせよ経済的な波及効果は大きい。
マスターズを生で観たいファンは世界中に多いが、その人気からマスターズの入場チケットは取りづらく、毎年値上がり続けている。
2019年の4日間チケットは約120万円、本戦の1日チケットは約30万円で、前年より30%アップしている。
マスターズ委員会はパトロンと呼ばれる入場者数を公表していないが、1週間で世界中から25万人が訪れていると推定されている。
ホテルやレストランも含めてオーガスタ地域への経済効果は少なくとも約130億円以上らしい。そしてそれ以上に大きいのがテレビの放映権料だ。
テレビ放映はCBS、ESPNが実施し、マスターズ委員会は毎年契約更新している。
米国ゴルフダイジェスト誌によれば、全米オープンの放映権がFOXスポーツが年間102億3000万円で契約しているので、マスターズの米国内放映権は少なくとも約109億円以上の価値があると言われるが、その契約内容は不明だ。
また国際放映権は約27億円と言われている。最終日の全米の視聴者数は1100万人で、全米オープンが460万人であるのと比較すると、他のメジャーを圧倒。またCBSは自社のHP、マスターズHPでライブストリーミングを実施し、10億人以上が視聴したと発表した。
その価値は増々高まっている。
日本ではTBSが67年から放送し、76年からは衛星生中継されるようになった。
最終日の最高視聴率は日本が時差で早朝にも関わらず15年7.5%、16年9.4%、17年6.4%、18年5%、19年6%(ビデオリサーチ調べ)。
試合展開によりバラツキはあるがこの時間帯としては驚異的な数値である。
また、日本からのマスターズ観戦者は毎年数百人以上に上り、旅行社のツアー価格はチケット代を含め120万円前後とかなり高額である。
ただし、今年はコロナウィルス騒動が依然として終息しておらず、日本を含む海外からの観戦者や取材者の入場を規制する動きもあるかもしれない。
マスターズにとっても「コロナ」は大きな痛手なのだ。
Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura