Text/Eiko Oizumi
Photo/Dan Imai
セントアンドリュースで開催の「全英オープン」に出場したい…… そう思った星野陸也は、ウェティングリストで上位に名前はあるものの、実際出場できるかどうかわからないまま、イギリス行きの飛行機に乗り込んだ。直前での決断に、飛行機のチケット購入や、ホテルの予約に苦労したようだが、現地に到着してもシューズや帽子が届かない、フェスキューによる花粉症発症など、アクシデントもあった。
だが、聖地に到着し、練習ラウンドを重ね、出場できるかどうかわからないまま準備は進めた。そしてついに星野にチャンス到来!大会初日の朝、ジャスティン・ローズが背中痛で棄権したことで、出場の機会が回ってきたのだ。
「まさか自分でも出られると思ってなかったので、自分でもビックリ! 出られるとわかったのは、スタートの5分くらい前。ティに到着したら、最初の人が打ってました。スタートギリギリで、ストレッチはしていたんですが、練習はできてなくて……。(いつ、出場できるという連絡が来るかわからないので、待機していたら)練習のタイミングが難しくて。でも全然いい感じでスタートできた。しかもこんなすごい組(トミー・フリートウッドとフランチェスコ・モリナリ)で回れるなんて……」
バタバタでスタートした星野だったが、初日は3バーディ、5ボギーの75(3オーバー)でホールアウト。予選通過を目指して臨んだ2日目もボギー先行で、2バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの73で終了し、通算4オーバーで予選落ちした。
「チャンスがあったのに、パットが全然決められなかった。バーディパットを外して、ボギーが先行してしまって、そこからいい流れに持っていけなかった。この2日間、うまくいかなかった原因かな、と思う」
星野は、「せっかくの出場のチャンスを生かしきれなかったことが一番悔しい」と語ったが、聖地でプレーできたことは、本当に嬉しいと喜んだ。改めて試合に出ることの重要さも感じたという。しかもたまたま入った組が、フリートウッドとモリナリという2人のビッグネームで、彼らから学ぶことも多かったそうだ。
「地元のフリートウッドとか、有名選手だともっと盛り上がるので、すごいな、と思った。自分ももっと知ってもらうために頑張らないといけないと思った」
「このコースでプレーすることは、小さい頃からの夢だった。でもしっかり成績は残さなければならない。まだまだだなぁと反省して、頑張っていきたい」
今後は8月4日から開幕する「日本プロ」に出場する予定。世界最古のメジャーで学んだことを、日本のメジャーで生かし、優勝を狙う。