Text & Photo/Eiko Oizumi
――TVレポーターとしてセントアンドリュースを訪問。感想はいかがですか?
引退していなければ、この仕事もできなかったですし、このタイミングで全英の取材に行かせてもらうのと同時に、セントアンドリュース・オールドコースに来れるなんて思ってもいなかったので、本当についてたというか、幸せなことだなと思います。
――松坂さん、「全米オープン」にもいらっしゃいましたね?
そうですね。僕はボストンに住んでるんで、近所と言えば近所。せっかくなんでそんな近くでメジャー大会なんて、そうそうないでしょうし、松山選手も出場するんで、他の日本人もいますし、完全にプライベートで行かせてもらいました。
――昔から松山選手とは付き合いがありましたか?
8年ぐらい前に知り合って、一緒にゴルフをやったりしました。まさか松山さんにインタビューするなんて、想像もしなかったですけど松山さんが気を遣ってくれて、受けてくれたんだと思う。
――インタビュー中、何か面白い話はありました?
食事はどうしてるのかな?という話もしてて、僕はスコットランドに来るのがはじめてなので、何かおすすめのレストランありますか? って聞いて。そしたら「近くにおいしい中華がある」っていう話が出て、「え? 中華?」って(笑)。地元スコットランドのおいしい店を言われるのかなと思ったけど、中華って言葉が出てきて笑っちゃいました。
――セントアンドリュースははじめてですか?
初めてです。ゴルフゲームはやってましたけど。実際に見て、ここかと思い感動しましたね。実際、どういう攻め方をするのか、ちょっと見たいですよね。
――ゲームだとスコア、いくつぐらいなんですか?70台とか?
ゲームだとすごいスコア、出ますけどね(笑)。
ーーこのコースを回ったら、どのくらいで回れそうですか?
というか、どれくらい叩くんだろうって思いますよね。いつかはプレーしてみたいですね。
――トミーズバンカーとか知ってますか?
(トミーズバンカーとは、中嶋常幸が、脱出までに4打を費やしたという17番グリーン周りのポットバンカーのこと)
わざと入れてみたいですよね(笑)。
――松山選手以外で、誰か見たい外人選手はいますか?
マキロイもいますし、タイガーもいるんで、見たいですね。見どころはたくさんあります。
――昔、松坂さんは、タイガー・ウッズと一緒にダンロップフェニックスのプロアマでプレーしましたよね?
回りました。22歳のときだったと思いますね。でも僕はあれがタイガーの全盛期だと思うんで、その全盛期のタイガーをオーバードライブしたっていうのは、ずっと言おうと思ってます(笑)。多分320ヤードぐらい飛んでいたと思う。トムワトソンコースのロングホールで。めちゃくちゃ嬉しかったですね。その後、本気のタイガーのショットを見ました。
――タイガーが松坂さんのショットを見て、本気になったんですね? オーバードライブされて)
タイガーの打球は、球にロケットがついてるみたいな感じで、2段階くらいの飛びで飛んでいって。明らかに片方の球が前に飛んでたんですけど、タイガーが僕のボール(が飛んでいるの)を見て、僕にこうやってガッツっポーズして。それがすごく嬉しかったです。一生忘れない。
――松山選手に期待されることは?
「マスターズ」に勝ちましたし、「ソニーオープン」でも勝って、「US オープン」の最終日のあの追い上げも観ましたけど、PGAツアーの中でもトップクラスの選手の扱いというんですかね。選手たちもそう見てるでしょうし、当然優勝争いする選手だと思うんですけど、その中で結果を出すのは大変なこと。ファンとしては、最終日、最終組で、スウィルカンバーンの橋を歩く姿を勝手にイメージしています。あとは「US オープン」のときは、松山くん以外は予選落ちだったので寂しいな、と。1人でも多くの日本人が予選を通って、日本人同士で、優勝争いをしてほしい。期待したいですよね。
――松坂さんご自身の、最近のスコアは?
良くて70台。ハンディキャップをちゃんと取りに行こうかな、と思っています。
――よく野球の選手でシニアになったら、プロゴルファーを目指す人、いるじゃないですか? 松坂さんも考えていますか?)
考えたりはしますね。ちゃんと健康状態を保って。
――今、誰かコーチをつけてレッスンを受けているんですか?
いえ、昔からゴルフ雑誌が先生です。
――へえ〜! ありがとうございます。
雑誌を持って練習場に行ってましたね。
――第2の人生もいいですね。
そうですね。そっちに情熱を注げるくらい頑張りたい。でもその前にまずは、家族サービスもしないといけないんで……(苦笑)。