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プロ入り後は「大会と戦う」意識を持って
「戻ってきたい         
中島啓太

Text/Eiko Oizumi
Photo/Dan Imai

アマチュア最後のメジャー「全英オープン」に臨んだ中島啓太。

 世界アマチュアランキング1位の中島啓太が、アマチュアとしては最後の「全英オープン」に臨んだが、通算3オーバーで予選カットラインに3打足りず、予選落ちした。

 今年は「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」と、アマチュアとしては最大数の海外メジャーに出場。9月のプロ入りを前に少しでも上位で争いたいところだったが、3大会とも週末の決勝ラウンドに駒を進めることはできなかった。

「アンダーパーを目指してプレーしていたので、すごく悔しいです。今回はいいショットもありましたし、いいバンカーショットもいくつかあったが、一つのミスがダブルボギーになるのがメジャーだと思いますので、そういう部分を練習していければ……」

 過去、セントアンドリュースでの「全英オープン」を観たことがなかったという中島は、セントアンドリュースの18ホールを振り返るという動画をYouTubeでチェックして練習していたそうだが、実際に回ると印象は全く異なり、実際の方が回っていて楽しくワクワクすると語っていた。

JGAのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏からは、「バンカーに入れないこと」「3パットしないこと」を心がけるように言われ、キャディには地元キャディを起用。ウェッジのバンスも硬い地面に合うもの、バンカーやラフからのアプローチでも使えるよう、バンスを多めにしたものなどを用意し、万全の準備をして臨んだ。低い球筋が好きで、リンクスが好きだと語っていた彼が、「強い気持ち」で戦った初めての聖地でのプレーは、初日の出だし3連続ボギー、2日目のバック9でのダブルボギーを含むハーフ40など、厳しいものとなった。

 昨年優勝した9月の「パナソニックオープン」で、プロ転向を果たす予定の中島だが、その前にナショナルチーム最大のイベント「世界アマ」が控えている。アマチュアとして海外メジャーに出た経験や、世界のトッププロたちと戦った経験は、プロ転向後に必ず生きてくるはずだが、普段は穏やかで冷静な彼も「全米オープン」で予選落ちをした後は、相当悔しかったようで、プロ入り前の彼にとって、今後のゴルフ人生を変えるほどの意識の変化があったように思う。

「予選落ちして仕方ないというのは許せなかった。頑張るというよりも、“戦う”という意識を持って、強い気持ちでプレーしないといけない」

 中島のアマチュアとしての今季の海外メジャー挑戦は、全て予選落ちに終わった。だが、その悔しさをバネに今後の彼はもっと大きなことを成し遂げてくれそうな気がする。

練習日の月曜日に行われた、150回大会を祝うイベント「セレブレーション・オブ・チャンピオンズ」に参加した中島(右)。ディフェンディングチャンピオンで、同じ事務所に所属するコリン・モリカワ(左から2番目)と同組で4ホールを回り、プロ転向の話やクラブの話などをしたという。
中島は、ナショナルチームのコーチ、ガレス・ジョーンズ氏(バンカーの上の左の人物)に、コースマネージメントや打ち方などの指導を受けている。このバンカーは、かつて中嶋常幸が優勝争いをしていた時に大叩きし、優勝を逃した17番ホールのロードバンカー(別名トミーズバンカー)。
18番ホールのスウィルカンバーンにかかる有名な橋の上で、記念撮影に応じる中島。背後に世界のゴルフの総本山「R&A」の建物も見える。
かつてナショナルチームメンバーだった桂川有人(左)と練習ラウンドをする中島。

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