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アジアンツアー「インターナショナルシリーズ・オマーン」で
金谷拓実、海外初優勝

Text/Eiko Oizumi
Photo/Asian Tour

海外ツアーで初優勝を遂げた金谷拓実。オマーン湾の美しい海を背景に、記念写真撮影。

アジアンツアー・インターナショナルシリーズの第1戦、オマーン大会で、金谷拓実は最終日、強風の中を5バーディ、4ボギーの71をマークし、2位のベリー・ヘンソン(米国)サドム・ケーオカンジャナ(タイ)の2位タイ組に4打差をつけ、通算10アンダーで海外初優勝を遂げた。インターナショナルシリーズは、サウジアラビア政府系ファンドPIFからの支援を受けて開催されている高額賞金大会で、総額200万ドル(約2億6300万円)規模の大会。金谷は優勝賞金36万ドル(約4700万円)を獲得した。

「インターナショナルシリーズの試合で優勝できて光栄です。ここ2年間は厳しい日々でしたが、こうしてまた優勝できて本当に嬉しい」

 金谷は2021年の「東建ホームメイトカップ」で優勝して以来、未勝利に終わっていた。海外メジャーに出場しても、予選落ち。だが、もともとは2015年に17歳で「日本アマ」を制覇し、2018年に日本人では松山英樹に次ぎ、「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で優勝。翌年、「マスターズ」と「全英オープン」にアマチュアとして挑戦し、2019年に「三井住友VISA太平洋マスターズ」でアマチュアとして優勝、世界アマチュアランキングで1位に55週間、君臨し続けた実力者である。ここ2年間は思うような成績が残せなかったものの、「コツコツと自分のやるべきことを、しっかりやり、粘り強くプレーする」というモットーを崩さず、徐々に調子を上げてきていた。

 アジアンツアーへは3度目の出場であり、インターナショナルシリーズへは初出場だったが、日本人で初の同シリーズ優勝者となった。なお、アジアンツアーでの日本人優勝者は、2010年「ブラックマウンテンマスターズ」で優勝した平塚哲二以来、13年ぶり。3月下旬から始まる国内男子ツアーまでは、海外遠征に出かける選手も多いが、今回の金谷の優勝は彼らの闘争心に火をつけ、大きな刺激となったに違いない。

禁酒の国オマーンならではの、シャンパンファイトならぬ、ウォーターファイトで谷原秀人(右手前)らに祝福される金谷。
アジアンツアーコミッショナー兼CEOのチョ・ミンタン氏(右)と金谷(中央)。「日本もアジアの一部。日本の試合がない時などに、是非来てほしい」とチョ氏は語る。
最終日、最終組で一緒に回っていた久常涼(右)は、6つスコアを落とし、木下陵介と同じ2アンダーの7位タイに終わった。中央は、2位タイに入ったサドム・ケーオカンジャナ(タイ)。

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