世界のゴルフフォトグラファーの第一人者として今も第一線で活躍するデビッド・キャノン。
彼のファインダーを通して切り取られた世界のゴルフコースの数々は、まるで宝石箱のジュエリーのように一つ一つが個性豊かに輝いている。
世界のゴルフフォトグラファーの巨匠「デビッド・キャノン」の私の愛したゴルフコース、第6回はペブルビーチ・ゴルフリンクス(アメリカ)を紹介する。
右ドッグレッグの8番ホールは、427ヤード・パー4。2打目地点の右サイドには、崖があるので注意。
Beautiful CAL!
美しいカリフォルニアの景色!
世界で最も有名な106ヤード・パー3(7番ホール)。風向きによってはウェッジから3番アイアンまで使い分けが必要。
ゴルフ場に向かうドライブの中でも、「17マイルドライブ」からペブルビーチへのアプローチは最高だ。モントレーからドライブを始め、ザ・リンクス・アット・スパニッシュベイとスパイグラスヒルを通り過ぎると、サイプレス・ポイントクラブと有名なローン・サイプレスが見えてくる。
そしてザ・ロッジ・アット・ペブルビーチへと下って行くのだ。ロッジ自体が5つ星の高級リゾートで、レストランからの18番グリーン越しの眺めは、壮観としか言いようがない。
ゴルフコースそのものも、世界で最も美しい。海岸線に沿った4番から10番までは、海沿いの一連のホールとしてはどこよりもすばらしい。
ペブルビーチは、スコットランドのターンベリー・アイルサコースと並び、メジャーで使われる最も美しい会場と言われている。
そしてこれらはいずれもパブリックコースだ。
ペブルビーチでゴルフをするには、ザ・ロッジまたはペブルビーチリゾート所有の施設に宿泊する必要がある。
グリーンフィーは1ラウンド500ドル超と、世界でも最高レベル。とは言えペブルビーチでプレーすることは、世界で最もスペシャルな体験のひとつ。支払った額の1セントに至るまでその価値がある。
晴天時にプレーしたいなら、春か秋に訪れるのがベストだろう。夏の数か月間は、海霧が発生する可能性が高い。
6月の「全米オープン」の撮影では、一面灰色の天候に邪魔されることも多いのだ。
さて、このコースの荒々しい美しさを存分に味わえるのは、4番から。
4〜5番は、スティルウォーター・コーブという入江沿いの「危険と隣り合わせ」のホールだ。
パー5の6番ホールは海に向かって、セカンドショットが強烈な打ち上げになるモンスターホール。そして次の7番は、ゴルフで最も有名なパー3ホール。
ショートアイアンやウェッジで攻める打ち下ろしで、コース最小のグリーンを狙うのは、ペブルビーチで最もしびれるティーショットかもしれない。
グリーンは海に囲まれた岩棚の上にあり、悪天候の日には打ち付ける波しぶきを、プレー中に浴びることもある。
太陽の光が差せば、記念写真を撮る絶好のシャッターチャンスを与えてくれる。僕はこのホールが大好きだ。
8~10番ホールは、世界で最もタフなホールの連続。
8番・パー4は巧みなドッグレッグホールで、2打目地点からはカーメルの白い砂浜が広がる様を目にすることができる。
日本や極東アジアから太平洋を横断して到達した波が、押し寄せるたびに音を立てる。
そして18番は、メジャーやPGAツアー「AT&Tプロアマ」などのイベントで多くの歴史が刻まれてきたパー5。
この最終ホールのグリーン付近には美しい糸杉が位置し、左側にはずっと太平洋の波が打ち付けている。
世界中のすばらしいリンクスを訪れ、プレーし、写真を撮ることができる私は、本当に幸運な人間だ。
PEBBLE BEACH GOLF LINKS ペブルビーチ・ゴルフリンクス
●設計:ジャック・ネビル、ダグラス・グラント(のちにアリスター・マッケンジー、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマーらが改修)
●全長:6828ヤード(パー72)
●備考:1919年に開場した世界で最も人気のパブリックコース。ペブルビーチリゾート内の「ロッジ・アット・ペブルビーチ」、「イン・アット・スパニッシュ・ベイ」などに宿泊しないとプレーできない。PGAツアー「AT&Tペブルビーチプロアマ」のほか、「全米オープン」開催地にもなっている。
https://www.pebblebeach.com
18番ホール・パー5・543ヤード
左サイドの太平洋はOBゾーン。ゴルフで最も有名なフィニッシングホール
夕暮れが美しいペブルビーチのフィニッシングホール。左サイドは全て海で、グリーン手前のサイプレスの木は有名。クラブハウスのレストランでは、この景色を見ながら食事をとることができる。
18番ホールのティーショットエリアの前には、このような景色が広がる。左サイドは全て海。引っかけは厳禁だ。
10番ホールの2打目地点からグリーンへはなだらかな下り傾斜が広がっている。グリーン奥には隣町のカーメルのビーチが見える。
David Cannon デビッド・キャノン(イギリス)
海外メジャー100大会以上を取材し、現在も第一線で活躍中のゴルフフォトグラファー界の巨匠。
自身もシングルハンデの腕前で、息子はプロゴルファー。
アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアと世界各国を股にかけて撮影している。Getty Images所属。
Text & Photo/ David Cannon (Getty Images)