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【私の愛したゴルフコース】第13回レパードクリークカントリークラブ(南アフリカ)

世界のゴルフフォトグラファーの第一人者として今も第一線で活躍するデビッド・キャノン。

彼のファインダーを通して切り取られた世界のゴルフコースの数々は、まるで宝石箱のジュエリーのように一つ一つが個性豊かに輝いている。

私の愛したゴルフコース第13回は南アフリカのレパードクリークカントリークラブを紹介する。

Leopard Creek Country Club

©David Cannon

レパードクリークCC

●設計:ゲーリー・プレーヤー 
●全長:6480メートル(パー72)
●備考:1996年にオープンした南アを代表するコースの一つ。クルーガー国立公園の境界に位置し、クロコダイル川がコースを蛇行している。「アルフレッド・ダンヒルチャンピオンシップ」を開催したこともあるチャンピオンシップコース。ヨハネスブルグから車で4時間。パー3コースもある。
https://leopardcreek.co.za

南アの大富豪が造った南アのオーガスタ

オーガスタナショナルGCの正面ゲートから大西洋を越えて南東方向に8462マイル(1万3619km)離れたところに、私が友人たちによく「海外のオーガスタ」と説明する場所がある。
南アフリカのクルーガー国立公園の端、ムプマランガ州のメールレーンに位置するレパードクリークGCだ。
ここを訪れたことは、私の40年間のゴルフフォトグラファー人生で、最高の経験のひとつだ。

レパードクリークCCは、南アフリカの実業家であり、アルフレッドダンヒル、カルティエ、モンブランなどのブランドを擁する高級品コングロマリット(複合企業)である、リシュモンの会長兼CEO、オーナーのヨハン・ルパートの発案で誕生した。
南アのゴルフの「ゴッドファーザー」的存在であるルパートは、南アフリカ・ゴルフ開発委員会の創設者で会長、南アフリカPGA(サンシャインツアー)の会長、欧州ツアー(現DPワールドツアー)の名誉副会長、南アフリカPGAから90年ぶりに名誉会員の称号を授与されたアマチュアであるなど、ゴルフ界に多大なる貢献を果たしている。

ライオンやカバ、キリン、ゾウなどが生息する「野生の王国」

©David Cannon

2nd Par5/524meter

ゆるやかな右ドッグレッグのロングホール。フェアウェイやグリーン周りにはバンカーが点在。フェアウェイはバミューダ芝、グリーンはテキサスからのベントグラスを採用。

©David Cannon

クロコダイル川沿岸に建つクラブハウスは、とてもエレガント。レストランやバーでは、外の景色を楽しみながら、食事をすることができる。

©David Cannon

クラブハウスからは、9番グリーン(右)と18番グリーンを眺めることができる。コースは非常にフラットで、自然の川や湖でセパレートされている。

野生動物を見ながらプレーできる珍体験

1996年にゲーリー・プレーヤーが最初に設計したこのコースは、世界的に高い評価を受け、オープンから3年後の1999年には、シェル主催「ワンダフルワールド・オブ・ゴルフ」でアーニー・エルス対ニック・プライスのマッチが行なわれた。
これによって、レパードクリークがいかに高く評価されているかが、証明されている。

オーガスタナショナルと同様、グリーン中の水分量をコントロールするための「サブエア」システムが最近導入されるなど、このコースは年々改善されてきた。
2016年、ルパート氏は「ゴルフ・南アフリカ」のホームアカデミーとなる最先端の練習施設を建設。
さらにロイヤルトゥルーンの「郵便切手」と呼ばれる8番ホールやペブルビーチの7番ホール、TPCソーグラスの17番ホール、オーガスタナショナルの12番ホールなど、世界中の象徴的な9つのパー3ホールを再現したユニークなパー3コースをも建設した。

最高と言われたい、というクラブの野望を実現するため、あらゆる手段が講じられているが、1番ティーに足を踏み入れると、18体の信じられないほどリアルなヒョウの銅像が立ち並び、それらは待ち受ける各ホールと同様に息を呑む美しさである。

本物の野生動物を見ることができるのも、このコースの特徴で、2番ホールはキャディでさえも入れないほど鬱蒼とした下草が生い茂っており、ミスすると厳しい状況となる。
その茂みの中には、どんな野生動物が潜んでいるかわからないが、それもここでのプレーの楽しみのひとつである。
猿、ヒヒ、キリンもこのコースではよく見かける。

The Augusta National of the Rest of The World

みんなのオーガスタナショナル

©David Cannon

8番ティーにあるレパード(ヒョウ)の銅像。

クラブハウスで至福のひととき

クラブハウス内のメンバー専用エリアに座ることは、素晴らしい体験のひとつ。
ここに座り、9番と18番のグリーンでのプレーを眺めながら、特別な料理を食べたり、冷たいキャッスルビールを飲む。
クラブハウスは私が今まで見た中で最も美しく、その茅葺き屋根は風景に見事に溶け込んでいる。
本当に、世界有数のゴルフコースにふさわしい、特別な建物だと思う。

David Cannon デビッド・キャノン(イギリス)

©Getty Images
©Getty Images

海外メジャー100大会以上を取材し、現在も第一線で活躍中のゴルフフォトグラファー界の巨匠。
自身もシングルハンデの腕前で、息子はプロゴルファー。
アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアと世界各国を股にかけて撮影している。Getty Images所属。

Text & Photo/ David Cannon (Getty Images)

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