「コロナで沈んでいるゴルフ界を、明るく盛り上げたい」
「ISPS HANDAコロナに喝!! チャリティ・チャレンジトーナメント」
開催日程:2020年10月14日〜16日(3日間競技)
開催会場:ロックヒルGCレイクコース(茨城県)
「ISPS HANDAコロナに喝!! チャリティレギュラートーナメント」
開催日程:2020年10月29日〜31日(3日間競技)
開催会場:五浦庭園CC(福島県)
Text & Photo/Eiko Oizumi
一般社団法人国際スポーツ振興協会(ISPS)は8日、男子ツアーJGTOとの共催でチャリティトーナメントを2大会開催すると発表。チャレンジツアー(下部ツアー)1試合を10月14日〜16日に茨城県のロックヒルGCにて開催のほか、レギュラーツアー1試合を10月29日〜31日に福島県の五浦庭園CCにてどちらも3日間競技で開催する。なお、これらの大会は公式競技ではなく、エキシビション形式で行われ、賞金ランキングへの加算はない。
ISPSはこれまで、コロナ禍の中でもシニア、女子、男子の試合を有観客で行ってきたが、JGTOとのコラボ試合でも有観客で行い、レギュラー試合はプロアマ戦も実施する。現在、ほとんどの大会は無観客・プロアマ戦なし、というスタイルで粛々と開催されているが、「プロゴルフはギャラリーに見られてナンボの世界。トーナメントをやるからには、コロナを正しく恐れながら、対策をしっかりとって有観客でやってこそプロゴルフ」という半田会長の考えがJGTOとの共催試合である2試合でも踏襲される。
「選手も関係者も、プロアマ参加のアマチュアも全員ISPSがPCR検査の費用を負担し、検査体制も手配します。コロナでゴルフ界が沈んでいるので、明るく盛り上げたい」(半田会長)
また、明るく楽しく大会を開催するために、ISPSは今までもゴルフトーナメント開催時にいくつかの工夫をこらしてきた。
「withコロナ時代」の大会開催時には恒例の、「三密」を防止するための「ミッツポリス」も出動。10月の開催ということで、ハロウィンの衣装を着用して、ギャラリー同士の密を防ぐ。
また、夏場の大会ではアイスキャンディの「ガリガリ君」を1日1万個用意して、選手やキャディ、関係者、ギャラリーに対して食べ放題のサービスが行われたが、今回は秋開催ということで、「焼き芋(紅あずま、紅はるかの2種類)」と「みかん」の食べ放題を企画。またアイスもハーゲンダッツ、ピノ、雪見だいふくなどさらにバリエーションを増やして食べ放題とする予定だ。そしてチャレンジトーナメントでは、毎日先着500名のギャラリーに、レギュラートーナメントでは毎日先着1000名のギャラリーに、弁当とお茶が振舞われる。毎日観戦に来る人のために、毎日弁当の内容もチェンジするという細やかな心配りも忘れない。
さらに選手たちへのホスピタリティとして、9月の「ISPS HANDAジャンボ尾崎記念チャリティトーナメント」でも実施した「魚釣り」も行われる。
「女子プロには毎日、フランスの高級パン屋のジョアンとダロワイヨのパンを1000個用意しましたが、男子プロは魚釣りが好きということで、いけす釣り堀で釣りができるようにしました。1日1人3匹まで、3日間で9匹、釣った魚を持ち帰れます。釣った魚は“魚さばき隊”がその場で魚をさばき、自分で持ち帰れるように、あるいはクール宅急便でも送れます。タイやカンパチ、シマアジ、ヒラメ、伊勢海老、うなぎなど高級魚ばかりなので、成績が振るわず賞金が少なかった選手は、これで食費を浮かしてください(笑)」(半田会長)
なお、今回開催する2試合は、医療従事者へのチャリティを目的としており、2大会ともに全員の賞金の10%を地元医療機関に寄付する。また、予選落ちした選手に少しでも遠征費が行き渡るように、一律6万円が支給される。
コロナウイルスを徹底的に研究し、回を追うごとにより細やかな配慮を持って安全にトーナメントを開催できるよう取り組んでいるISPS。半田会長は「私たちの活動がきっかけになり、他のトーナメントでも有観客で大会を開催してもらえれば嬉しい」と語る。半田会長の「タイタニック理論」で言えば、日本人は誰かが海に飛び込めば、自分も飛び込むという性質を持っているというが、7月以降、次々に有観客で実施しているにも関わらず、今のところ国内で有観客で開催したのはシニアの「マルハンカップ」だけである。コロナウイルス感染者を出した場合、誰がどう責任を取るか、というところで有観客での開催、あるいは無観客でも開催することに二の足を踏んでいるスポンサーも多いが、withコロナ時代になって早7ヶ月。米PGAツアーでも年末にかけて、そろそろ観客を入れての開催を検討している試合もある。 シニアとレギュラー男子、女子ツアーでは観客動員数も異なるため、一概には言えないが、各ツアー、少しずつでも前に進むために、正しくコロナを恐れ、うまくコロナと共存しながら本来のゴルフトーナメントが実施できるよう、研究を重ね、対策をとって試行錯誤を繰り返していくことも必要だろう。
「試合がなくなって生きがいを失い、この先どうなるんだろう?と不安を感じていたプロゴルファーも多い中、ISPSはギャラリーを入れて試合を開催してくれた。仕事、生きがいを与えてもらった。自分もチャリティ活動はやっており、チャリティや社会貢献とプロゴルファーは切っても切れないものだが、こうしてエキシビションという形で試合を開催してもらうのはありがたい」と語った。
「私の使命は“ゴルフ文化の創造”だ」と語るISPS半田会長。「スポーツを通して人々を幸せにし、社会をよりよく」というISPSの活動趣旨に基づき、2大会とも賞金の10%をチャリティに充てる。