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【ISPS HANDA医療従事者応援チャリティレディーストーナメント】黄金世代の吉川桃が大物新人・笹生優花を破り優勝!

黄金世代の吉川桃がスーパールーキー笹生優花を破る!

2020年8月3日〜4日/静岡県・伊豆大仁カントリークラブ
ISPS HANDA医療従事者応援!!チャリティレディーストーナメント

©ISPS

チャリティの精神を日本のプロゴルフ界にも……

“日本のゴルフ界にもチャリティの文化を育てたい。だから出場選手には獲得賞金の全額、3分の1、5分の1を個人の経済事情により地域の医療センターに寄付することを義務付けた。日本のゴルフ界にも寄付の習慣を作りたい”

国際スポーツ振興協会
半田晴久 会長(右)

優勝 吉川桃(左)

1998年5月20日生まれ(22歳)。2019年、ステップアップツアーで1勝を挙げる。2017年にプロ転向した黄金世代の一人。

©Eiko Oizumi

黄金世代の一人、吉川桃。昨年まではステップアップツアーが主戦場。昨年の平均飛距離は225.45ヤード。

バーディを獲ることを意識することで好プレーに

「チャリティを進化させ、スポーツの力で社会をより良く」をモットーとするISPS(国際スポーツ振興協会)が8月初旬、コロナ禍の中、医療崩壊と戦う医療従事者を応援しようと女子プロによるチャリティトーナメントを開催。

アマチュアを含む111名の選手が参加し、医療従事者への支援を目的に戦った。

優勝は黄金世代の一人、22歳の吉川桃。最終ホールまでスーパールーキーで飛ばし屋の笹生優花とデッドヒートを繰り広げ、最終的には1打差で逃げ切り優勝を果たした。

「ノーボギーで回れて内容的にもすごくよかった。嬉しい。今まではノーボギーを目指してプレーしていたが、それよりもバーディを獲ることを意識してやったら、ボギーを打ってもバーディを獲ればいいという意識に変わった。結果的にノーボギーでプレーすることができたのはよかったです」

ボギーを打たないようにしようとすると気持ちの余裕がなくなってしまうので、逆にガツガツとバーディを獲ることを考えることにしたという。

昨年まではステップアップツアーを主戦場にしていたが、今年はレギュラーツアーがメイン。

コロナ禍で試合がない間、練習とトレーニングをひたすら繰り返す日々だったが、これらは本当に正しいのかが不安だった吉川。

今大会で今までの練習の成果を試す機会に恵まれ、さらに優勝という形で証明することができたのは大きい。

「観客がいる中での試合は少し不安もあったが、すごく感染対策がしっかりとされていたし、いいプレーを見せられてよかった。私の友人で看護師がいるが、少しでも楽になれるよう力になりたいし、寄付するいい機会を与えて頂きました」と医療従事者への支援の気持ちも語った。

©ISPS

イーグル賞は飛ばし屋の笹生優花(右)らが受賞。

©Eiko Oizumi

75歳の岡田美智子は2日目、73で回り、エイジシュートを達成。

©Eiko Oizumi

ニアピン賞はベテラン表純子(右)らが受賞。

©Eiko Oizumi

ドラコン賞は、川﨑志穂(左から2番目)が2回のほか、鬼頭桜、笹生優花がゲット。

最終成績

1位吉川 桃-12
2位笹生優花-11
3位小滝水音、表 純子、
稲垣那奈子
-10
6位藤本麻子、
竹山佳林
-8
8位林菜乃子、植竹希望、
丹 萌乃、荒川侑奈、
保坂真由、福田侑子
-7
17位永井花奈ほか-5
23位武尾咲希、森井あやめ、
臼井麗香、蛭田みな美ほか
-4
32位酒井美紀、原英莉花、
大山志保ほか
-2
53位若林舞衣子、小貫衣織ほか0
64位セキ・ユウティン、
川岸史果ほか
+2
100位稲葉真寿美+9
105位岡田美智子+11

女子プロに勇気を!その名も「ジャ・パン作戦」

©Eiko Oizumi

クロワッサンが好きです!ISPS所属契約 酒井美紀

ISPS専属契約の酒井美紀の「パンが好き」の一言で実現したパンの山。

初日は1000個、2日目は1500個のパンを用意し、出場選手、キャディ、関係者らに振る舞った。

これは半田会長のアイデアで、女子プロたちを励まし、勇気づけるための「ジャ・パン作戦」。

「じゃあ、パンを食べて頑張ろう!」と言う半田氏ならではのユーモアを交えた〝エール〟だ。

「ダロワイヨ」と「ジョアン」と言うフランスに本店があるパンの名店から毎日1000個以上のパンやマカロンを取り寄せ、選手たちはプレーの前に、あるいは合間にパクついた。

「素直に嬉しい。選手たちも喜んでいたので、本当にパンは良かったと思います。好きなパンはクロワッサンです」(酒井美紀)

なお、これらのパンは食べ放題だが、コース内で食べるために用意されたもので、こっそり「持ち帰り」は禁止。

あるいはギャラリーがクラブハウス内に入り、パンを持ち逃げした場合は「ルパン三世の一党」と名付けるなど、半田会長のユーモア溢れるアイデアがこんなところにも散りばめられていた。

コロナ対策を万全に!正しく恐れながら有観客で開催

©Eiko Oizumi

3密を避けるため、場内を巡回する「ミッツポリス」。密になっている場合は、「ミッツ棒」で指し示し、密を解く。

©Eiko Oizumi

原英莉花の応援団も会場にかけつけ声援を送った。

世界中のツアーが無観客でツアーを再開する中、「プロゴルフは観客がいてはじめてプロゴルフだ」という半田会長の信念のもと、ISPSが主催する男・女・シニアの大会すべて、有観客で開催された。

開催するからにはコロナ感染防止対策は万全にとり、観客には無料でマスク、フェースシールド、ビニール手袋を支給。

観戦エリアも限定し、選手たちとの接触は禁止。報道陣もマスクとフェースシールドの着用で取材を行なった。

「プロゴルファーの皆さんも、観客のいる試合がいかに尊いか、再認識した人も多いと思う。正しく恐れながら、誰かがコロナ対策を万全にした上で観客を入れて試合をやらなければ、前進はない。ただ恐れているだけではダメ。科学的にもっと研究して、コロナ感染防止に挑戦しなければいけない」と半田会長は語っている。

Text/Eiko Oizumi Photo/ISPS, Japan PGA,Eiko Oizumi

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