Text/Eiko Oizumi
Photo/Golf Saudi
グレッグ・ノーマンがCEO 兼コミッショナーを務める新リーグ「LIVゴルフ・インビテーショナル」の第1戦が、いよいよ6月9日から3日間、ロンドン郊外のセンチュリオンGCで開幕する。
世界最大のサウジアラビア政府の投資ファンドPIFが大株主の「LIVゴルフインベストメンツ」は、アジアンツアー開幕戦の「PIFサウジ・インターナショナル」や年間10試合の「インターナショナルシリーズ」(アジアンツアーに日程を組み込んでいる。約350億ドルを投資)を開催していることでも知られているが、今、最も話題になっているのが、サウジリーグと言われている「LIVゴルフ・インビテーショナル」だ。
年間8試合開催され、そのほとんどは米国で行なわれるが、第1戦はロンドン。PGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーは当初「新リーグに出場したPGAツアーメンバーは、PGAツアーを出場禁止。その後、PGAツアーの出場権が戻ってくることは期待しないで欲しい」と強く主張していた。
だが、グレッグ・ノーマンは「プロゴルファーは、いかなる場所でも自分の希望する場所で試合に出る権利があるはず。PGAツアーもそのような罰則を選手に与えることはできない。非常に遺憾」とコメント。その後、モナハン氏の論調はトーンダウンしたかに見え、1戦目のロンドンの試合に出場申請をしていた選手はおそらく許可されるのではないか、と見られていたが、5月10日にPGAツアーは正式に申請を却下。「ツアーメンバーはサウジゴルフリーグが開催するロンドンでの大会に出場することは認められない」とした。
また、LIVゴルフから出場者リストが公表された後、「メモリアルトーナメント」会場でモナハン氏は、「何らかの罰則を考える」とコメント。PGAツアーから破門、というパターンが最も重い罰則パターンになると思われるが、まだこの罰則に関しての具体案は、今のところツアー側からははっきりと示されていない。
さて、1戦目の出場者は以下の通りである。これに加え、LIVゴルフ側からは6月6日までにグレッグ・ノーマンの推薦枠であと6名、加わる予定だ。今のところ、フィル・ミケルソンの名前はない。
なお、日本からは谷原秀人、木下陵介、香妻陣一朗の3名が出場。日本ツアー(JGTO)からは、出場しても特に罰則はない。
オリバー・ベッカー(南ア):WR93位
リチャード・ブランド(英国):WR66位
ローリー・キャンター(英国):WR114位
@ラトチャノン(TK)・チャンタナヌワット(タイ)
ヘニー・ドゥ・プレシス(南ア):WR128位
オリバー・フィッシャー(英国):欧州ツアー1勝
セルヒオ・ガルシア(スペイン):WR54位
テーラー・グーチ(米国):WR35位
ブランデン・グレース(南ア):WR118位
ジャスティン・ハーディング(南ア):WR111位
サム・ホースフィールド(英国):WR72位
ダスティン・ジョンソン(米国):WR13位
マット・ジョーンズ(豪州):WR68位
サドム・ケーオカンジャナ(タイ):WR125位
マーティン・カイマー(ドイツ):WR 210位
フャキャラ・コンワットマイ(タイ):WR 113位
キム・シワン(米国):WR138位
木下陵介(日本):WR67位
チェイス・ケプカ(米国)
香妻陣一朗(日本):WR103位
パブロ・ララサバル(スペイン):WR65位
グレアム・マクドウェル(北アイルランド):「全米オープン」優勝
ジェダイア・モーガン(豪州):WR235位
ケビン・ナ(米国):WR 33位
ショーン・ノリス(南ア):WR69位
アンディ・オグレトリー(米国):2019年「全米アマ」優勝
ルイ・ウーストハイゼン(南ア):WR20位
ウェイド・オームスビー(豪州):
エイドリアン・オタエギ(スペイン):WR162位
ターク・ペティット(米国):2021年「NCAA・男子」優勝
@ジェイムス・ピオット(米国):2021年「全米アマ」優勝
イアン・ポールター(英国):WR89位
@デビッド・プイグ(南ア):
JC・リッチー(南ア):WR154位
シャール・シュワーツェル(南ア):WR120位
ハドソン・スワッフォード(米国):WR91位
谷原秀人(日本):WR173位 日本ツアー16勝
ピーター・ユーライン(米国):元世界アマチュア1位
スコット・ビンセント(ジンバブエ):WR109位
リー・ウエストウッド(英国):WR74位
バーンド・ウィースバーガー(オーストリア):WR 90位
ブレイク・ウィンドレッド(豪州):WR250位
※@はアマチュア、WRは世界ランクの略
2月にはPGAツアーへの忠誠心を公表していたダスティン・ジョンソンが、「LIVゴルフ招待」第1戦への出場を表明し、大きな話題となっている。同週には契約先のRBC(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ)が主催するPGAツアー「RBCカナディアンオープン」が開催されるが、その契約先の試合を蹴って「LIVゴルフ」への出場を決めたため、RBCの上層部からは「非常に残念だ」とコメント。契約停止の可能性が濃厚だ。