• 国境や人種を超えたスポーツの力とゴルフの愉しさをすべての人に。
  1. ホーム >
  2. トーナメントレポート >
  3. 「ジャック・ニクラスの設計の意図を
    すごく感じるピンポ...

「ジャック・ニクラスの設計の意図を
すごく感じるピンポジになっている」

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

第2ラウンドを終えて、39位タイの石川遼。

 第2ラウンドを終えて、4バーディ、1ボギーの67をマークし、通算4アンダーの石川遼。予選通過を果たし、39位タイで決勝ラウンドに進出した。

 今回の大会のピン位置やコースセッティングについて、「JGTOの大会のピン位置よりもシビアな場所に切られている」と感想を持つ選手が多い中、石川もJGTOツアーのセッティングとDPワールドツアーのセッティングの違いを、以下のように説明している。

「去年(JGTO単独開催時)は、どこに外しても寄せられる、と思っていたのが、今年(DPワールドツアーと共催)は、ここからは絶対に寄らないというところが毎ホールある。DPワールドツアーも、こういうセッティングでコースの良さを引き出してくるんだな、と思った。ほんの1〜2ヤードのところだが、日本ツアーよりも厳しいところもあって、奥からも3ヤード、右からも3ヤードみたいな感じ。日本ではサイドから3〜4ヤードというのはあるが、手前や奥が許容されていて、4方向のうち1方向だけ3〜4ヤードというのはある。でも2方向で4ヤードというのが、海外のスタイル。メジャーでもそうだし、こういうセッティングでやってもらえると、コースの良さも引き出せると思う。高いショットのクオリティが求められ、それを4日間できる人が上に上がってくる」

 同じコースでもセッティングの違いによって、こんなにも難しくなる、と語る石川だが、「めちゃくちゃ楽しいです」と、挑戦しがいのあるセッティングに心を踊らせてもいる。

 以前から海外ツアーを経験した選手たちは「日本にはPGAツアーやメジャーで使われるようなコースがない。よく、コースが選手を育てるというが、日本にはそのようなコースが少ないから、海外に出た時に対応できない」と口にしてきた。だが今回、DPワールドツアーとJGTOツアーの共催試合が実現したことで、すでにある日本のコースでも、セッティング次第では、難易度も変わり、本来、設計者が意図するものを汲み取れるコースにも仕上がるということを石川は改めて感じたという。

「打つ時に全部ピンを狙って、グリーンを外してもどんなところからでも寄るという状況だったら、いいショットと悪いショットの差がつかない。でも、ここに落とさないと寄らない、というセッティングは日本でも十分可能だし、今回の場合は、ジャック・ニクラス設計コースだが、ニクラスの意図をすごく感じるセッティングになっている。だから海外の選手でも違和感なくやれているんだと思う。日本のコースはグリーンがきれい、と言われているが、世界でもグリーンのきれいさ、コンディションの良さは日本に追いついてきてるし、ほぼ同等だと思うので、今後選手を育てる、ということを考えるのであれば、いいショットと悪いショットの差がくっきり出るようなセッティングが必要だと思う。うまくて強い選手は、どんなセッティング、コンディションでも上位に来るはずだから」

 世界のツアーでは、セッティングのレギュレーションや目安というものが存在するはずだ、と石川。その「世界のレギュレーション」を日本のコースにも当てはめてセッティングした時に、同じコースでも世界のツアーのような舞台に仕上がる可能性は十分あるという。

インコースとアウトコースで、JGTOとDPワールドツアーがピン位置をそれぞれが担当しているという。DPワールドツアーサイドが切るピン位置は、JGTOのそれに比べて難易度が高いというのが、大半の選手からの意見だ。

関連する記事