Text & Photo/Eiko Oizumi
今年の「ミズノオープン」で優勝した平田憲聖に1打差の3位タイに入り、「全英オープン」の出場権を獲得した安森一貴(25歳)。自身初の海外メジャーとなる同大会の公式練習日(月曜日)に18ホールを回り、コースを入念にチェックした。
「海外でゴルフをするのは初めてですし、海外旅行も修学旅行や卒業旅行でグアムやハワイなど、日本語が通じるところしか行ったことはないですね。海外ゴルフがいきなりメジャーというのもすごいですけど、やっぱりメジャーはギャラリーが練習ラウンドからたくさんいて、毎ホール、毎ホール話しかけられました」
日本ツアーは昨年末のファイナルQTで12位に入り、前半戦の出場権を獲得した安森は、「フジサンケイクラシック」まで出場が決まっているが、前半戦を戦い、自身の調子は非常にいいようだ。その上、「もともと低い球を打つ練習とか、風が強い時の練習もしていた」という彼は、「全英オープン」のために準備したわけではないが、「全英」向きの球筋を習得していた、と言える。
だが、初めての長距離の飛行機移動で体の柔軟性を失っているようで、「飛行機も十何時間以上乗ったのが初めてで、自分のスイングの動画を後ろから撮ったのを観ましたが、あまり姿勢が良くないみたい」と語っていた。
「全英オープン」は今までテレビでしか観たことのない世界だったが、実際にコースを回ってみると、
「フェアウェイが硬くて、もっと転がるかなと思った。日本にはない硬さだったので、ウェッジもバンスを削ったものを持ってきていて、それでちょうどよかった」と語った。
一方、日本のコースにはないポットバンカーも体験したが、思ったよりも難しくないかもしれないと思ったという。
「砂質も日本と全く違っていて、細かい砂なので、もうちょっとシビアかと思ったが、自分が思った通りに打てた。壁にひっついたり、入ってすぐのバックスイングの取れないところに球が行かない限りは、普通に打てるかなと言う感じでした」
また、今大会用に「ロフトがちょっと寝ているパターを持ってきた」という安森。目の影響を受けないよう、キャリーを出せるパターだという。
日本ツアーの賞金にも加算されるメジャーだが、ここまでのところ獲得賞金は828万3916円で41位。今大会で予選通過を果たせば、来季のシード権が獲得できる圏内に食い込めるチャンスもあるだけに、まずは予選通過を果たすことが第一目標だ。