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ザック・ジョンソン米国キャプテンの
人選に米国メディアは疑問視

Text & Photo/Eiko Oizumi

初日の1組目でスタートした、米国チームのスコッティ・シェフラー&サム・バーンズ、欧州チームのジョン・ラーム、ティレル・ハットン。

 第44回「ライダーカップ」が、9月29日からイタリア・ローマ郊外のマルコシモーネゴルフ&カントリークラブで開幕し、現在2日目の午後のセッションが行なわれているところだが、全28セッション中12セッションが終了し、米国2.5 :欧州9.5 と欧州チームが米国に対して大きくリードしている。初日の午前、午後の8セッションでは、1度も勝ち星を上げられなかった米国だが(3セッションとも引き分け)、2日目の午前中のフォアサム方式では、フォーボールでようやくマックス・ホーマ&ブライアン・ハーマン組が、シェーン・ローリー&セップ・ストラーカ組を4&2で破り、1ポイントを獲得した。しかし、その他の3セッションは全て欧州チームが勝ち、さらに欧米の差は開いてしまった。

 そんな米国に対して、米国メディアはこぞってザック・ジョンソンの人選に対して疑問視している。

 初日のフォーサムで、欧州キャプテンのルーク・ドナルドは、ジョン・ラーム&ティレル・ハットンというエモーショナルで強い2人を1組目に選んだ。1組目が優勢であれば、その後続組のプレーヤーも「自分達もそれに続こう」というモチベーションに繋がる。そういう意味では1組目は後続組に勢いをつけられるかどうか、という大事な役割を果たしているのだ。そこへ、仲良しコンビだが、過去のデータを見ると相性の悪いスコッティ・シェフラーとサム・バーンズを組ませて、しかも1組目に入れたことに対して「過去のどんなデータを見れば、そのような組み合わせにつながるんだ」という厳しい批判も出た。

 また、ジョーダン・スピース&ジャスティン・トーマスの2人を、初日の午前中のマッチに休ませたことについても疑問視されている。

 一方、欧州チームのルーク・ドナルドは、エドワルド・モリナリを副キャプテンに従え、彼をデータ分析担当として重用。今のところ、彼の采配は予想よりも遥かに上出来だと評判だ。

 過去、仲の良い選手同士を組ませるとか、あるいは同じ国の選手同士を組ませることが多かったこの手のイベントでも、データを徹底的に分析して選手の長所や弱点を見極める作業が必要になっている。世界ランキングを見ると、12人の平均値が米国は12.92に対して、欧州は29.25と2倍以上の開きがある。しかも米国の最低ランキングがリッキー・ファウラーの25位に対し、欧州はニコライ・ホイガードの82位だ。それでも大番狂わせがあるところが、「ライダーカップ」の面白いところ。データも大事だが、それだけではないのだ。

「(初日の)18番ホールでは、我々の決意や気概、忍耐力、チームの団結力のようなものを見せることができた。彼らは決して諦めないし、最後の最後までプッシュし続ける。ビクトル、ジョン、ローズが決めた長いパットみたいにね。これが大きい」とルーク・ドナルドは初日のプレーぶりを振り返った。

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