Text & Photo/Eiko Oizumi
今年の「全米プロ」に出場し、最終日にはローリー・マキロイとラウンドしてホールインワンまで達成した、47歳のクラブプロ、マイケル・ブロック。彼は、その人柄や、エンターテナーとしての才能で、「全米プロ」の会場で大勢のギャラリーを魅了し、その後、PGAツアー「ワールドワイド・テクノロジー選手権」にも招待されてプレーしたが、今週の大会に出場することに関しては、今大会に出場できない数人のオーストラリア人選手たちから「なぜオーストラリアPGAのメンバーが出場できないのに、彼が招待されるんだ?」「世界中で戦っているオーストラリア人選手たちの面倒も見てほしい」と不満の声も漏れていた。
そんな否定的な意見も耳にしながら、ブロックは次のように語っている。
「私にはたくさんのファンがいるが、私を応援していない人もいる。そう言うこともあるだろう。そういうことがあることも学びながら、そんなことを考えないでプレーする方法を模索している」
実際、ヒーローのような存在になった後は、ゴルフ場でアマチュアに指導する時間がなくなったと語っているが、名声を得た後も「お金を得たからといって、私の人生は少しも変わっていない。同じトラックを運転し、同じゴルフ場で働き、同じ家に住んでいる。これからも何かを変えようとは思わない」と言う。
第3ラウンドの途中、彼はティショットを打った後、近くにあったフードトラックでピザを購入し、周辺にいたギャラリーに振る舞った。そしてホールアウト後は、彼のプレーを見ていたオーストラリア人ギャラリーたちと会話し、ファンサービス。彼が今年の「全米プロ」でヒーローのように語られたのも、こうした彼の態度や人柄によるところは大きい。クラブプロだが、カリスマ性のある人間味溢れるマイケル・ブロックは、おそらく来年の「全米プロ」でも大いに話題になることだろう。