Text & Photo/Eiko Oizumi
男子、女子、障がい者が同週に同じコースで戦う、世界でも珍しい大会「ISPS HANDA オーストラリアンオープン」。特に男子と女子は、オーストラリアのナショナルオープンであり、オーストラリアでは注目度の高い大会だ。
今年男子の部で優勝したのは、PGAツアーで過去2勝し、現在はLIVゴルフで「トルクGC」のキャプテンを務めるホアキン・ニーマン(チリ)。星野陸也とのプレーオフを制し、通算14アンダーで「オーストラリアンオープン」で初優勝を遂げた。
「この勝利は大きいね。今年はLIVゴルフであまりいいシーズンではなかった。いろいろなことがあって、今週ほどいいショットも打ててなかったからね。昔はいいショットが打てていたのに。それにパッティングもよくなかった。しかも今年はチームも少し変えたところもあった。だから今、新しい環境の中で一生懸命練習に取り組み、こうして成績を出すことができたのは誇りに思うよ」
そして、来年の「全英オープン」の出場権も獲得。世界ランキングポイントを獲得できないLIVゴルファーにとって、ポイントを獲得できる試合に出場し、上位に食い込むことは非常に重要だが、先週の「フォーティネット・オーストラリアPGA選手権」で5位、そして今大会で優勝したことで、世界ランキング59位まで浮上してきた。以前は15位だったランキングもLIVゴルフ入りしてからは下降していたが、全てのメジャーに出場するには、トップ50以内に入る必要があるが、かなり復活してきた感じだ。
「メジャーに出場したくて、オーストラリアの試合に出場したが、こうして全英オープンの出場権を得ることができてうれしい」
翌週には母国チリのナショナルオープン「チリオープン」に出場することになっているが、
「この試合で(トップ50入りするための)十分なポイントを獲得できるとは思わないし、そもそもポイントがつくのかどうかもわからないが、チリでプレーするのが楽しみだし、この大会には僕の名前が冠されることになっているから、優勝トロフィが欲しいね」
と語った。
「オーストラリアンオープン」では過去、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、グレッグ・ノーマン、ローリー・マキロイ、ジョーダン・スピースらが優勝し、彼らの名前が刻まれているが、そんなトロフィを見ながら「とてもいい気分だね」と語った。
一方、女子の部を制したのは南アフリカのアシュリー・ブハイ。昨年に引き続き2連覇を果たした。
「今までアマチュアの時でも、2連覇というのは果たしたことがなかった。今日はミンジーがスコアを伸ばし、素晴らしいゴルフをしていた。みんな(オーストラリア人の)彼女を応援していたけど、大勢の南アフリカ人もいて、私を応援してくれていたわ」
「今日は1〜2打、悪いショットが出たけど、スマートなゴルフを心がけた。落ち着いて、自分のやるべきことに集中した結果、自分のゲームをコントロールできた。今日の出来には満足よ」
最終日はアシュリー・ブハイとシン・ジエとの一騎打ちかと思われたが、シン・ジエが4バーディ、7ボギー、1ダブルボギーとスコアを大きく崩し、優勝戦戦から脱落。その代わりにオーストラリアのスター、ミンジー・リーが8バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの69をマークし、最終的には優勝したブハイとは1打差の8アンダーで終わった。
なお、日本勢の結果は、星野陸也が14アンダーで2位、久常涼、桂川有人が9アンダーで8位タイ、比嘉一貴、本大志(アマチュア)は予選落ちに終わった。また、女子は橋本美月(アマチュア)が10オーバーで31位タイ、杉原彩花が17オーバーで43位に終わった。