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「オリンピックでプレーすることの特別さを
改めて感じている」       松山英樹

Text & Photo/Eiko Oizumi

公式記者会見に臨む、2回目のオリンピック出場の松山英樹。

 前回の「東京オリンピック」に続き、2回目の出場となった松山英樹。前回は銅メダルをかけて、7人によるプレーオフを行なった選手の1人だったが、台湾のCTパンが銅メダルを獲得し、松山は4位タイに終わっていた。

 メジャー大会に比べ、これまであまり「オリンピック」に対して積極的な姿勢を見せていなかった松山だが、最近では意識の変化があったようで、公式会見で次のように語っていた。

「今年、仲良くなった人が、残念ながらオリンピックでプレーできなくなった。このオリンピックでプレーすることの特別さを理解しきれてはいないが、その人の姿を見ていると、このオリンピックでプレーすることの特別さを理解し、すごいことなんだな、と改めて思った。出られなかった人の分まで、しっかり頑張りたい」

 仲良くなった人、というのが誰なのかは明かさなかったが、松山の「オリンピック」に対する意識がこの人物によって大きく変わったようで、モチベーションにもなっているようだ。また、「マスターズ」で勝つことと金メダルを獲ることとでは、どちらが日本での反応が大きいか、を問われると

「グリーンジャケットは、ゴルフをしている人たちは全員わかると思うが、ゴルフを知らない人たちは、わからない部分もあると思う。日本国民に対してだったら、金メダルの方が価値は大きいと思うが、ゴルファーからしたら、グリーンジャケットの方が大きいんじゃないかなと思う」

と言い、メジャーで勝つことと「オリンピック」で金メダルを獲ることでは、どちらが大事かについては、

「今週がメジャーだったらメジャーだし、今週がオリンピックなら、オリンピック」と答えた。

 3年前に行なわれた「東京オリンピック」では、自国で開催したものの、プレーオフで敗退し、メダルを獲れなかった悔しさは今でも覚えているという松山。あれから3年間、ケガも負い、未勝利だったが、今年はこれまで16試合に出場し、予選落ちはわずか1回。2月には「ジェネシス招待」で2年ぶりにPGAツアー9勝目を達成し、優勝する前は55位にまで下がっていた世界ランクも、現在では12位にまで順位を戻している。また、6月の「全米オープン」では、2年ぶりにトップ10入りを果たし、6位に入った。

「3年前、自分の国で開催した『東京オリンピック』ではプレーオフで負けてしまって、メダルを獲れなかったという悔しさは今でも覚えている。また、その後の3年間でいろいろとケガもして、優勝もほぼできなかったが、またこの場所に戻って来れてすごく嬉しいし、3年前以上の結果を必ず出せるように頑張りたい」

 オリンピックゴルフは、男女それぞれ60人ずつで争われるが、その中でメダル獲りに絡む選手は、実質20%、つまり12人だろうというのが、男子ゴルフ監督の丸山茂樹の予想。松山は、世界ランク1位のスコッティ・シェフラーや、今季メジャー2勝のザンダー・シャウフェレが一番メダルに近い選手だと言い、その2人を倒さないと、メダルを獲れないと断言する。男子ゴルフは8月1日(木)から、パリ郊外のル・ゴルフナショナルで行なわれる。

中島啓太(右)とともに、日本男子代表として「パリ五輪」で戦う。
五輪の看板と記念撮影。左から松山英樹、丸山茂樹、中島啓太。
練習日に、中島啓太(中央)とともに練習ラウンドする松山(左)。

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