Text/Eiko Oizumi
Photo/R&A
今季は「マスターズ」「全米プロ」「全米オープン」と全てのメジャーに出場してきたタイガー・ウッズだが、「マスターズ」以外のメジャーでは予選通過を果たせなかった。
第1ラウンドを、2バーディ、6ボギー、2ダブルボギーの79を叩き、8オーバーの138位タイと大きく出遅れた初日。2日目で予選通過を果たせるよう、なんとか巻き返しを図りたかったが、1バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの77を叩き、通算14オーバー。予選カットラインの6オーバーから8打足りずに予選落ちを喫した。
「あまりよくなかった。2番ホールでダブルボギーを叩き、そこからずっと苦戦していた。バーディチャンスにつけることができず、その結果ボギーが多くなってしまった」
「もっと今年はプレーしたかったけど、メジャーに出られるようにすることが先決だった。今年は体的には確実に良くなっている。結果にはまだ表れていないけど、体がよくなってきているのは素晴らしい。このまま進歩し続けて、試合感を取り戻すことが目標だ」
コリン・モンゴメリーが「ロンドン・タイムズ」のインタビューで、「人々には、かつてのタイガー……情熱とカリスマ性に満ちたオーラを持つタイガーを覚えていて欲しい。今ではそれが全く見られない。パインハースト(全米オープン)では、1打も楽しんでいないように見えた。トゥルーン(全英オープン)でも楽しめないだろう」と語っており、タイガーは早く引退すべきであると主張していた。それに対し、タイガーは、「(全英オープンには)過去のチャンピオンとして、60歳まで出場権がある。彼にはないし、その決断する機会もない。勝てると思う限り、プレーし続ける」とモンゴメリーの意見に対して反論した。
しかし実際に試合を終えてみると、モンゴメリーのいう通り、予選通過を果たすこと自体、苦しいことも事実。タイガーの体が良くなり、試合感が戻ってきたら、優勝争いできるのでは? と本人や世界中のゴルフファンは期待しているが、今後どうなることか。
今年は本格的な競技に出るのは、これで最後。毎年、長男のチャーリーくんとともに出場している「PNC選手権」に出場する予定でいるという。ただし、彼にはPGAツアーの選手理事として、LIVゴルフなどと統合に向けての話し合いが今後も忙しく続く予定だ。来年の「ライダーカップ」の米国キャプテンを辞退して、PGAツアーの未来に向けて取り組んでいるタイガー。「こんなことをするとは思いもしなかった。とてもやることが多いが、ツアーを助け、次世代のプレーヤーを助けることは楽しい」と語っている。