Text & Photo/Eiko Oizumi
「全米オープン」最終日には、1バーディ、1ボギーのイーブンパーで回り、通算2アンダーの6位で終了した松山英樹。「バーディを先行させないとチャンスはないと思っていたが、先にボギーが来てしまった。昨日、今日で全然思うようにいかない中で、オーバーパーを打たずに終われたのはよかったなと思うし、前回よりも少しうまくなったのかなと思う」と自身手応えを感じているようだった。
今年の2月には「ジェネシス招待」で2年ぶりの優勝を果たしたほか、「プレーヤーズ選手権」6位タイ、「バレロ・テキサスオープン」7位タイ、「メモリアルトーナメント」8位タイと13試合に出場中、トップ10入りは5回を数える。ここまで予選落ちは1回もなく、抜群の安定感が光る。
そして大会後のインタビューでは、「パリ五輪」出場の意志も表明。今大会後の6月17日付の世界ランキングに基づいた五輪ランキングで、ゴルフ男子競技の代表選手が選ばれるが、日本勢最上位の松山英樹と2番手の中島啓太が選出される見込みだ。
松山は、以前から代表入りは決定的だったが、ここまで出場を公にするのを先延ばしにしていたのには理由があった。日本ゴルフ協会(JGA)からの現地情報が乏しく、サポート体制が整っていないと感じていたからだ。
「パリには行ったこともないというのもありましたけど、若手が頑張って世界ランク50位以内に2人が入っていれば、別に僕でなくてもいいかな、と思いながらも、(実際は)そういう感じではなかったので出なければいけないと思いました。今日まで(出場するかどうかの表明を)伸ばしていたのは、現地の情報がJGAの方から来ないし、僕らが5人で動いている中で、何人分まで負担をしてくれるのか。まぁ、1人のプロゴルファーとしてやっているんだったら、オリンピックってどういう形なのか、まだわからないですし、もうちょっとサポート体制をしっかりしてもらえれば、すんなりと行きたいです、と言えるんですけどね」
ただ、出場を決めた以上は「頑張りたいと思うし、この調子をそのままキープできれば」と松山。中島啓太も「日の丸のユニフォームに再び袖を通せることを誇りに思います。自覚を持って戦います」と、SNSでメダル獲りに向けて抱負を語った。