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「日本のファンにとっては、渾身の1試合
ここだけは予選落ちはしたくない」
川村昌弘

Text & Photo/Eiko Oizumi

DPワールドツアー6年目の川村昌弘。

 欧州ツアー6年目のベテラン(と言ってもまだ30歳)の川村昌弘が、第2ラウンドを4バーディ、2ボギーの68をマークし、通算6アンダーの●位タイでホールアウトした。昨日、日没サスペンデッドにより、今朝6時30分から第1ラウンドの残りを消化した川村は、18番ホールでイーグルを奪取し、一気にトップ10圏内に浮上。第2ラウンドも2つスコアを伸ばし、週末の優勝争いに向けて、好位置につけている。

「今朝はなんせ朝が早かったので、眠たかった。3時半くらいに起きて、長丁場を予想していたが、さらっとうまく回れたと思う。終盤はちょっと疲れてきて、アイアンショットが全然ピンに絡むこともなく、大きなピンチもなければチャンスもないという展開だったが、ゆっくり寝て体力を回復して、またショットに切れ味が戻れば、もう少しバーディチャンスにつけられると思う」

 川村は「旅人ゴルファー」と呼ばれるように、世界各国を股にかけて、長年戦っているが、日本での欧州ツアーの試合は、この1試合のみ。彼にとっては、25試合前後出る中での1試合だが、日本のファンにとっては「渾身の1試合」。「自分も祈る気持ちで、ここだけは頼むぞという感じでプレーしている(笑)。応援があるので嬉しいですが、プレッシャーも感じる。予選落ちをしたらガッカリする人もいるだろうな、とヒシヒシ感じながら、そう言うのも踏まえれば、いいゴルフだったと思う」

 ここ半年の間で、久常涼、星野陸也、中島啓太という日本人の若手3人が、DPワールドツアーで初優勝を遂げているが、欧州ツアーの主(ぬし)も負けてはいられない。虎視眈々と初優勝を狙っている。

「『ここまで焦らされたら、大きな試合で勝ちたい』といつも言っているが、今週もし勝てたら母国開催だし、両親の前で、日本で優勝できれば、ここも嬉しい場所ではあると思う」

 現在、PGAツアーへのステップストーンとしてDPワールドツアーに参戦する若手も増えているが、実際、世界を股にかけて各国を転戦するツアーであるだけに、コースや天候の違いだけでなく、旅のトラブルなどもつきもの。PGAツアーよりも過酷な一面もあるが、川村の「楽しくやろう」というマインドを星野や中島も学び、川村同様、トラブルが起きても動じることなく対処し、旅を楽しんでいる。久常も含め、それが優勝につながっていると言っても過言ではない。

「ゴルフが好きな子が来たら純粋に嬉しくて、自分もゴルフが大好きでやっているだけなので、一緒に楽しくやろうよという感じ」

 週末は1年に1度の日本のファンや家族の前でのプレーを楽しみながら、大きな1勝を掴み取る。

DPワールドツアーで唯一の日本開催の試合に、プレッシャーもかかる。

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