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今秋、太平洋クラブ御殿場コースで開催される
「アジアパシフィックアマチュア選手権」へ照準

Text & Photo/Eiko Oizumi

大会直前で、急遽出場が決まった中野麟太朗。

  今大会唯一のアマチュア、早稲田大学3年生の中野麟太朗が第1ラウンドを1イーグル、2バーディ、2ボギーの68、第2ラウンドを3バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの71で通算1アンダーで、2打足りず予選落ちを喫した。

 もともと今大会には出場資格がなかった中野だが、「どうしても出たい!」とISPS半田会長に手紙を書いて懇願。当初は欧州のアマチュアが推薦出場する予定でいったんは断られたものの、欧州のアマチュアがビザのトラブルで来日できないことになり、急遽中野に出場のチャンスが回ってきたのだった。

「今回、試合に出させて頂き、半田会長には本当に感謝しています。会長には『楽しくやって』と言われましたが、今回出てみて、僕はまだこのステージでやるのは早いなと思いました。予選通過ギリギリで大丈夫かなと言ってるくらいじゃダメですね」

 フェードボールヒッターの中野だが、引っかけが出てパーオンが全然できなかったという。アプローチで耐えてきたが、スコアを伸ばすことはできなかった。

「今年に入り、ソニーオープンもニュージーランドオープンも、今大会でも予選落ち。また海外ツアーで予選落ちしてしまった。アジアパシフィックアマが心配ですね」

 今年の10月には再び太平洋クラブ御殿場コースで「アジア・パシフィック・アマチュア選手権」が開催される。今大会で優勝すれば、来年の「マスターズ」「全英オープン」の出場権が与えられるだけに、中野にとっては大事な試合だ。

「この雰囲気で回らせて頂いて、どういうミスがどういう時に出るのかがわかったので、いい経験だった。プロの試合で結果を残したいというのもあるけど、アマの試合が優先なんで、アジアパシフィックで優勝を狙うことを最優先にしたいですね」

 予選ラウンドでは、ISPS アンバサダーのコー・タイチ(香港)と一緒にプレーしたが、彼は2021年「アジア・パシフィックアマチュア選手権(アラブ首長国連邦・ドバイで開催)」で中島啓太とプレーオフの末、2位に終わった、アマチュア時代から活躍していた選手だ。

「僕が回りたいと思っていた1人なのでよかったです。アジアアマでは啓太さんに負けて2位でしたけど、飛ぶし、ショートゲームとかショットがすごい。アジアンツアーだけでなく、DPの試合にも何試合か出られるという話をしていましたが、そういう彼を見て、自分はまだまだ技術的に足りないなと実感しました。タイチさんは日本語もうまいし(母親が日本人)、英語もできる。海外で戦う時には英語は大事なので、英語の勉強をしようと思う」  大学の課題も多く、ツアー中でもホテルに戻ってZOOMで授業を受けることもあるという中野。今年も文武両道に励みながら、将来、海外ツアーで活躍できる日のために経験、準備を重ねていく。

予選ラウンドで一緒に回ったコー・タイチ(左)。香港人の彼は日本人の母を持ち、中野は日本人の父、台湾人の母を持つ。

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