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「飛距離アップしたのは、大きなアドバンテージ」
メジャー史上最小スコアで単独首位に!
ザンダー・シャウフェレ

Text/Eiko Oizumi
Photo/PGA of America

初日のラウンドを9バーディ、ノーボギーの通算9アンダーでホールアウトし、この笑顔!

  海外男子メジャー2戦「全米プロ」の初日のラウンドを終えて、9バーディ、ノーボギーの62でプレーしたザンダー・シャウフェレ。2位のトニー・フィナウ、サヒス・シガーラ、マーク・ハバードに3打差をつけ、単独首位に立った。62というスコアは、全メジャー史上最小スコアであり、2023年の「全米オープン」の初日にも記録している。自身にとって今回で2回目、ゴルフ史においては4回目の記録だ。

 前週の「ウェルズファーゴ選手権」では3日目を終えて、2位のローリー・マキロイに1打差をつけて首位に立ちながらも、マキロイが最終日に65を叩き出し、終わってみたらマキロイに5打差をつけられ、大逆転された。それでも「自分は今、とても高いレベルでプレーしている」と自信を持っており、今週は1日のラウンドで約6時間を費やすことになるかもしれないと、「エネルギーをできるだけ節約して、何か間違っていることがあれば、少しずつ削ぎ落としたい」と大会前に語っていた。

 彼にとって、父のステファン・シャウフェレ氏はコーチでもあったが、昨年末からタイガー・ウッズの元コーチのクリス・コモ氏をコーチにつけ、スイング改造を施した。その成果もあり、非常に安定した成績を残している。今年は、優勝こそないものの、12試合に出場し、トップ10入りは8回。そのうち2回は2位である。フェデックスカップランキングでは、世界ランク1位で、今季4勝のスコッティ・シェフラーに次ぎ、2位と絶好調だ。

 初日のプレーを終えて、「キャリアでたぶん、最高のゴルフか、それに近い」と自身のラウンドを振り返り、「ボールを非常にコントロールできていると感じる瞬間や、グリーンがよく見える瞬間、アプローチが非常にうまく行く瞬間がある。それを長期間維持するのは難しいけどね」と語った。

予選ラウンドを同組でプレーするザンダー・シャウフェレ(左)とジャスティン・トーマス。

 同組でプレーしたジャスティン・トーマスは、シャウフェレのここ最近の飛距離アップに気づいており、「ザンダーは本当に完成されたプレーヤーだが、今年はさらに飛距離も伸びており、15ヤードさらに遠く、速いスピードで打てるようになっている」と語る。トレーニングとスイング改造のおかげで飛距離アップしているシャウフェレは、「確かに大きなアドバンテージ。いつも全力で打たなくても、ボールを遠くに飛ばせるとわかっているのはいい感じだ」という。

「勝てないことが、勝ちたいという気持ちを強くさせる」というのが彼の信条。先週は、マキロイに優勝をさらわれたが、勝ち損なったことが「勝利」に対するモチベーションをさらに高めたと言えるだろう。「まだまだやるべきことはたくさんあるし、トップは遠くに感じる」とシャウフェレは、前週の悔しさをバネに、自身初のメジャータイトル獲得を目指す。

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